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「ahamo」のインパクトに勝てず“炎上”――KDDIが「分かりにくい割引」をやめなかった理由(1/3 ページ)

KDDIが12月9日に発表したauの新料金プラン。ネット上では発表直後から「結局条件付きの割引か」「期待外れ」などの批判が続出した。ドコモの「ahamo」発表でシンプルな料金設定に注目が集まる中、なぜKDDIは複雑な割引をやめなかったのか。

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 KDDIが12月9日に発表したauの新料金プラン「データMAX 5G with Amazonプライム」は、「家族割」「インターネット回線とのセット割」など、複数の割引を適用しないと安くならない仕組みだった。3日にNTTドコモが複雑な割引を設けない新プラン「ahamo」を発表したこともあり、多くのユーザーが他社にもシンプルな料金設定を期待していたが、肩すかしを食らった格好だ。

 これを受け、ネット上では発表直後から批判が続出。「結局条件付きの割引か」「期待外れ」などの声が相次ぎ、Twitterでは「さよならau」「au解約」といったワードがトレンド入りした。

 一方で、ahamoについては発表直後から「シンプルで分かりやすくて、これでいい」「これなら乗り換えたい」など、ネット上では肯定的な意見が出ていた。シンプルなプランがユーザーからの好評を集めると分かっていた中、KDDIはなぜ、従来と同じ分かりにくい料金設定のプランを発表したのか。

そもそもなぜ分かりにくい料金設定を設けるのか

 携帯料金の分かりにくい割引には、ユーザーを囲い込み、他のキャリアに流出させない目的がある。KDDIのデータMAX 5G with Amazonプライムは最安で3760円(税別、以下同)から利用できることを売りにしているが、この価格は「スマホ応援割III」や「5Gスタート割」など、さまざまな割引を全て適用した場合のものだ。中には期間限定の割引も含まれている。

 割引前の価格は9350円。実際に4000円以下で利用できるのは、auユーザーの中でも「2年縛りで契約している」「auひかりのネット回線を使っている」などの条件を満たしている人だけだ。それ以外の割引は「家族4人以上がauユーザー」といった条件の人だけに適用されるため、最安値で利用するハードルは高い。

 だが、割引条件を満たすために家族全員でauに加入したり、2年縛りで契約したりすると、ユーザーは他キャリアに移行しにくくなる。特に「ネット回線とのセット割」については、回線工事を何度も行うのは面倒と感じる人の方が多く、ユーザー流出の抑止につながる。そして期間限定の割引が終われば月額料金は6000円を超え、継続的に多くの利用料を集められる。

 こうしてユーザーを囲い込み、あわせて家族なども取り込んでおきたい、というのが携帯会社の本音だろう。

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