Amazon.com、巣ごもり需要による大幅増収増益で過去最高に
Amazon.comの2020年10〜12月期決算は、プライムデーが同四半期に延期されたこともあり、売上高、純利益ともに過去最高を更新した。リアル店舗以外の、AWSを含むすべてのカテゴリーで2桁台の増収だった。
米Amazon.comは2月2日(現地時間)、2020年第4四半期(10〜12月)の決算を発表した。コロナ禍の巣ごもり需要の高まりを受け、大幅な増収増益で、売上高、純利益ともに過去最高を更新した。売上高は初めて1000億ドルを超えた。
売上高は前年同期比44%増の1255億5500万ドル、純利益は2倍強の72億2200万ドル(1株当たり14ドル9セント)だった。売上高、1株当たり純利益ともにアナリスト予測(売上高は1197億ドル、1株当たり純利益は7ドル23セント)を大きく上回った。
同社は例年7月に実施しているプライムデーを10月に延期したため、売り上げが大きく伸びるプライムデーとホリデーシーズンが同じ四半期になった。
カテゴリー別売り上げは、リアル店舗が8%減だった他は、オンラインストアは46%、サードパーティーのストアは57%、サブスクリプションサービスは35%、AWSは28%、広告を含むその他が66%といずれも増収だった。AWSの売り上げの総売上高に占める割合は前四半期と変わらず12%だった。
ホリデーシーズンの売り上げは「記録破り」だったが、配送コストも前年同期比67%増の215億ドルと高くなった。
2021年第1四半期(1〜3月)の見通しは、売上高を前年同期比33〜40%増の1000億〜1060億ドル、営業利益を30億ドル〜65億ドルとした。この予測は新型コロナ対策に充てる約20億ドルを想定したものだ。
ジェフ・ベゾスCEOは発表文で「Amazonは創意の企業だ。われわれはクレイジーなことをノーマルにしてきた」とプライムサービスやKindle、スマートスピーカーなどを最初に世に出したことに触れ、「革新的なサービスは数年後には当たり前になり、人々はあくびをする。あくびは発明家にとっての最大の賛辞だ」と語った。
Amazonは同日、ベゾス氏がCEOを退き、取締役会長に就任すると発表した。
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