極右に人気でAWSに締め出された「Parler」の創業者CEO、取締役会が解雇
米連邦議会議事堂襲撃者の多くが利用し、Apple、Google、AWSから締め出されたSNS「Parler」の創業者CEO、ジョン・マッツェ氏が1月末に取締役会により解雇されていたことが明らかになった。
米トランプ大統領支持者による過激な投稿がポリシー違反だとして米Amazon.com傘下のAWSがサーバ提供を停止したSNS「Parler」の創業者でCEOのジョン・マッツェ氏(28)が、1月29日(現地時間)に取締役会によって解雇されていたと米Fox Newsが2月3日に報じ、マッツェ氏がそれを自身のLinkedInの投稿で認めた。
同氏のLinkedInの履歴でも、Parlerの在職期間は2018年1月〜2021年1月の3年1カ月になっている。
Fox Newsが入手したマッツェ氏の全社宛メールには「2021年1月29日、Parlerのレベッカ・マーサー氏率いる取締役会は、私が不在の会議で私の解雇を決定した」とある。
マッツェ氏は表現の自由を守るオンラインコミュニティの構築を目指してParlerを立ち上げた。だが、プラットフォーム上ではドナルド・トランプ米大統領(当時)の支持者らによる攻撃的な投稿が規制されず、米Appleと米Googleがアプリストアから削除し、サーバを提供していた米Amazon.comのAWSがサーバを停止した。
サーバ停止後もマッツェ氏は再開のために奔走したが、「Parlerの未来はもはや私の手にはない」。「この数カ月間、私のビジョン、言論の自由への強い信念、Parlerの管理方法について反対されていた」という。
ParlerのWebサイトはまだ復活していない。
マッツェ氏はLinkedInで「これはお別れではない。しばしのことだ」と書いており、新たなベンチャーを立ち上げるつもりのようだ。
取締役会のレベッカ・マーサー氏は保守派のヘッジファンド投資家として知られるロバート・マーサー氏の娘。マーサー家は、2016年の米大統領選でトランプ陣営が採用し、後に個人情報の不正利用で提訴されたCambridge Analytica(CA)を支援していたことで知られる。
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