市内の小中学校にiPad版ボーカロイドを一斉導入 愛知県岡崎市が音楽教育に活用
愛知県岡崎市が、市内の全市立小中学校に「ボーカロイド教育版II for iPad」を導入したことを明らかにした。「歌や演奏が苦手な子供でも、音楽の授業に前向きに取り組んでもらえるよう導入した」という。
愛知県岡崎市は3月12日、市内の全市立小中学校にヤマハが提供する音楽制作アプリ「ボーカロイド教育版II for iPad」を導入したことを明らかにした。「歌や演奏が苦手な子供でも、音楽の授業に前向きに取り組んでもらえるよう導入した」(同市)という。一部の学校ではすでに教材として活用しており、2021年度から本格的な利用を進める。
岡崎市は、文部科学省が“子供1人にPC1台”を目標に進める「GIGAスクール構想」を受け、教育のICT化を目指す独自の施策「岡崎版GIGAスクール構想」を推進している。2020年8月から12月にかけて市立校に通う全小中学生(約3万4000人)にiPadを配布した他、市内の全市立小中学校(小学校47校、 中学校20校)のネットワーク環境を整備した。
すでにボーカロイド教育版II for iPadを活用している岡崎市立南中学校では、俳句にメロディをつけて作曲する授業などを実施している。教師からは「ボーカロイドを活用することで音楽の得手・不得手に関係なく表現できるようになり、 生徒一人一人の可能性が大きく広がったと感じた」などの反応があったという。
ボーカロイド教育版II for iPadは、歌声合成技術を使った教育機関向けソフト「ボーカロイド教育版」の最新版として20年4月に提供を開始。ユーザーはメロディをブロックのように並べ、歌詞を入力することで曲が作れる。ピアノやギターの音源を使って伴奏を作る、歌詞を英語で入力するといった機能も搭載している。
ヤマハによれば、自治体がボーカロイド教育版シリーズを小中学校に一斉導入するのは岡崎市が初という。
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