タクシーの車窓を“広告枠”に 空車の走行時間を活用、S.RIDEが新サービス
S.RIDEが、タクシーの車窓をデジタルサイネージ化し、走行中に広告を映し出すサービス「Canvas」を6月に始めると発表。まずは東京都で100台のタクシーを使って始める。
タクシー配車アプリを提供するS.RIDE(東京都台東区)は3月17日、タクシーの車窓をデジタルサイネージ化し、走行中に広告を映し出すサービス「Canvas」を6月に始めると発表した。まずは東京都で100台のタクシーを使って始め、2022年までに1000台に拡大する。
後部座席のサイドガラスを、AGCが開発したガラス製スクリーン「グラシーン」に換装したタクシーを活用。車内に設置したプロジェクターを使い、乗客を乗せずに走行する「空車時間」中に静止画を投影する。グラシーンは既存の車両に後付けすることも可能という。
出稿料は100台につき、1週間当たり約500万円を想定。利益はS.RIDEと、サービスを共同開発したメディア企業のニューステクノロジー(東京都港区)、タクシー会社で分ける。企業だけでなく自治体による「熱中症に注意」といった広告の掲載も受け付ける。
今後は車両の位置情報を活用し、走っている場所や時間に合わせて広告を切り替える仕組みも開発する。東京だけでなく、S.RIDEが事業を展開する名古屋市や横浜市などへの拡大も目指す。
ニューステクノロジーによれば、都内を走るタクシーの多くは、1日の平均走行時間のうち約半分が空車時間という。S.RIDEの西浦賢治代表取締役は「空車時間をマネタイズできる手段を作ることで、コロナ禍でダメージを受けたタクシー業界を活発化させたい。S.RIDEとしても、今後の収益の柱に育てていく方針」としている。
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