コロナワクチン接種証明アプリ、ニューヨーク州が提供開始 IBMによるブロックチェーンシステム採用
ニューヨーク州が、新型コロナワクチン接種済みあるいは検査で陰性だったと証明するモバイルアプリ「Ecelsior Pass」を無料で公開した。IBMのブロックチェーン技術を採用し、プライバシーを保護する。イベント会場への入場などでQRコードを読み取らせる仕組み。
米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は3月26日(現地時間)、新型コロナワクチン接種済みあるいは検査で陰性だったことを州内で証明するモバイルアプリ「Excelsior Pass」を無料で公開したと発表した。米IBMが開発したブロックチェーンシステムを採用することで、ユーザーのプライバシーを保護し、偽造を防げるとしている。州によるこうしたアプリの提供は、米国では初。
このアプリの画面のQRコードをスタジアムやアリーナなどの入り口で読み取らせることで証明する。まずはマディソンスクエアガーデンやタイムズユニオンセンターなどが利用すると発表しており、小規模なイベント会場に拡大していく見込み。
Excelsior Passは、IBMのDigital Health Passソリューションをベースにしており、個人情報を共有せずにワクチン接種記録などの健康資格情報を検証できるよう設計されているという。資格情報はデジタルウォレットに保存され、QRコードとして表示される。スマートフォンを持たない人のために、紙に印刷した形でも提供する。他の州でもこの技術を採用すれば、州を横断して証明が可能になる。
米国では1月、ワクチンを接種済みであることを証明するデジタルカードを開発するイニシアチブ「Vaccination Credential Initiative」(VCI)が発足したが、IBMはこれに参加していない。
クオモ知事は27日、州全体で850万回以上のワクチン投与が行われたと発表した。少なくとも1回のワクチン接種を受けたニューヨーク在住民の割合は28.7%、2回接種した人の割合は15.8%になった。
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