Twitter、有料サービス立ち上げに向け広告非表示ツールのScrollを買収
サブスクサービスを構想中のTwitterが、広告を表示せずにメディアの記事を読めるようにするサービスを手掛けるScrollを買収する。1月に買収したRevueとともに、サブスクサービスの機能にする計画だ。
米Twitterは5月4日(現地時間)、サブスクリプション制広告非表示サービスを手掛ける米新興企業Scrollを買収すると発表した。買収総額は非公表だ。Twitterが構想中のサブスクリプションサービスにScrollの機能を統合する計画。
Scrollは2016年創業のニューヨークに拠点を置く非公開企業。同名のサービス「Scroll」は、月額5ドルで広告やポップアップなどを表示せずに多数のメディアの記事を読めるようにするというもの。
広告をブロックするのではなく、Scrollが参加メディアに対して広告非表示の対価を支払う。Scrollが5ドル中の1ドル50セントを得、残りをユーザーが閲覧した時間に基づいて参加メディアに分配する。
Scrollによると、参加メディアは従来より収益が40%増え、滞在時間は28%増え、ページビューは15%増えたという。
Twitterは公式ブログで「現在検討中のサブスクリプションサービスの一部にScrollを含める予定だ。Twitterのサブスクリプション会員は、お気に入りのメディアの記事や、Revueのニュースレターを広告なしで読めるようになるだろう」と説明した。Revueは、Twitterが1月に買収を発表したニュースレター配信企業だ。
Scrollは公式ブログで、「TwitterがSpaces、Revue、Scrollでやろうとしていることを見れば、Twitterがクリエイターを搾取するのではなく、クリエイターが作り出す価値を高めることを重視していることが分かる」としている。
TwitterはSpacesで、将来的にはユーザーがチケット制の有料チャットルームを開設できるようにする計画だ。
Scrollの現行サービスは、一時的にサインアップを停止する。既存のユーザーと参加メディアのサポートは継続し、このサービスに関心のあるメディア向けのサインアップページも用意されている。Scrollが2018年に買収したメールサービスのNuzzelは6日にサービスを停止する。
関連記事
- Twitter版Clubhouse「Spaces」、フォロワー600人以上なら誰でも開設可能に
TwitterがClubhouseのような音声チャットルームサービス「Spaces」を、600人以上のフォロワーを持つユーザーであれば、モバイルアプリで誰でも開設できるようにした。将来的にはチケット販売によるマネタイズも可能になる見込みだ。 - Twitterがテスト中の「ツイート取り消しボタン」はサブスク会員用か
Twitterの「ツイート取り消しボタン」を指摘したジェーン・マンチュン・ウォン氏が、これはサブスク会員用の有料機能のようだとツイートした。Twitterはサブスクリプションプランの計画を認めている。 - Twitterに「自動ブロック」搭載へ クリエイター月額支援などマネタイズ機能も
米Twitter社は、Twitterに今後搭載する機能として、不適切なツイートを自動的にブロック&ミュートする「SMARTER SAFETY」、ユーザーからクリエイターなどに月額支援できるようにする「SUPER FOLLOWS」、特定のトピックについて会話できる場となる「COMMUNITIES」などを発表した。 - Twitter、ニュースレター配信のRevueを買収 クリエイターの収益化を支援
Twitterがニュースレター配信サービスを手掛けるRevueを買収した。TwitterとRevueがシームレスにつながることで、例えば多数のフォロワーを擁するクリエイターはRevueで長文のニュースレターを配信し、Twitter上で購読者を募ることができるようになる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.