「トランプ氏のFacebookとInstagramのアカウント一時停止は支持するが、無期限停止は不適切」と監督委員会
Facebookの外部組織「監督委員会」は、Facebookが1月にトランプ米大統領(当時)のアカウントを停止したことについての検討結果を発表した。一時停止は支持するが、無期限停止は規定にないため、再検討するよう提言した。
米FacebookのOversight Board(日本では「監督委員会」)は5月5日(現地時間)、Facebookが1月にドナルド・トランプ米大統領(当時)のFacebookとInstagramのアカウントを無期限停止したことについての検討結果を発表した。一時停止したことは支持するが、無期限の停止は適切ではないとし、6カ月以内にこのペナルティを再検討し、適切なペナルティを決定するようFacebookに提言した。
Facebookは1月6日、暴徒による米連邦議会議事堂乱入が続く中、トランプ氏がこの動きを支持するととられる動画をFacebookとInstagramに投稿したことがコミュニティ規定に違反したとしてこれらの投稿を削除し、同氏のアカウントを24時間ブロックした。その後、Facebookはトランプ氏のアカウントを無期限にブロックすることを決定し、1月21日にこの決定についての審査を監督委員会に付託した。
監督委員会は、トランプ氏は当時大きな影響力を持っており(フォロワー数はFacebookが3500万人、Instagramは2400人)、コミュニティ規定違反の深刻さとリスクを考えればアカウントの一時停止とその延長は正しかったが、無期限の停止はコミュニティ規定には明記されていないと指摘した。「Facebookは漠然としたペナルティを適用し、この問題を監督委員会に付託することで責任を回避しようとしている。監督委員会はこの要求を拒否し、Facebookが定義されたペナルティを適用するよう主張する」。
Facebookはこの発表を受け、監督委員会の決定を検討する間、トランプ氏のアカウント停止は続けると発表した。
監督委員会はFacebookが昨年5月に立ち上げた外部組織。プラットフォーム上で許可すべきものと削除すべきものを判断する権限を持ち、Facebookは委員会の決定に従う必要がある。
前日に自身のブログサイトを開設したトランプ氏はこの決定発表後、このサイトに「Facebook、Twitter、Googleが行ったことは、米国にとっての恥だ。(中略)これらの腐敗したソーシャルメディア企業は政治的代償を払うべきであり、選挙プロセスを破壊することを二度と許されるべきではない」と投稿した。
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