Facebook、EC領域でAIとAR分野に投資 Instagramのショップ機能を拡充
米Facebookが、Instagramのショップ機能などを拡充するためにAIとAR(拡張現実)分野に投資する。ARやAI技術を導入することで、視覚的な商品検索やパーソナライズした広告体験など、新たな機能の導入・拡大を目指す。
米Facebookは6月22日(現地時間)、Instagramのショップ機能などを拡充するためにAIとAR(拡張現実)分野に投資すると発表した。コロナ禍をきっかけに加速するオンラインショッピングのニーズに対し、ARやAI技術を導入することで、視覚的な商品検索やパーソナライズした広告体験など、新たな機能の導入・拡大を目指す。
取り組みの一つに、InstagramにAIを活用した、「ビジュアル検索ツール」の導入を挙げている。例えば、花柄のワンピースを気に入って画像をタップすると、類似商品を見つけることができるようになるという。同機能はまず米国でテストを始める予定。将来的には、ユーザーがカメラで撮影した画像からもビジュアル検索を利用できるようにしたいという。
AR機能を使った試着機能もInstagramに実装予定。現在、カナダのModifaceと台湾のPerfectらと共同で美容業界向けにAPIを試験導入しており、330のブランドがInstagram上ですでに提供を始めているという。今後はインテリア業界などにも提供を拡大するとしている。
広告のパーソナライズでは、FacebookのニュースフィードやInstagramのフィードのようにユーザーの好みに応じて最適な広告を配信するという。利用者の普段のショッピング行動に基づいて、最も商品を購入しそうな場所に総客できる広告のテストを米国で始めるとしている。
Instagramの決済に対応している商品に対してのレビューや評価の投稿機能も、数カ月以内に実装するという。ただし、日本を含む米国外では、決済機能自体の導入時期は未定としている。
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