Facebook決算、“巣ごもり需要”で過去最高 Appleの規制による“逆風”を予測
Facebookの2020年第4四半期(2020年10〜12月)の決算は、新型コロナの“巣ごもり需要”により、売上高、純利益ともに過去最高だった。次四半期については、AppleがiOS 14で開始するデータ収集申告機能がターゲティング広告の“逆風”になるとしている。
米Facebookが1月27日(現地時間)に発表した2020年第4四半期(2020年10〜12月)の決算は、新型コロナの“巣ごもり需要”により、売上高、純利益ともに過去最高を更新した。売上高は前年同期比33%増の280億7200万ドル、純利益は53%増の112億1900万ドル(1株当たり3ドル88セント)だった。営業利益率は前年同期比4ポイント減、前期比4ポイント増の46%。
売上高、1株当たり純利益ともにアナリスト予測(売上高は264億ドル、1株当たり純利益は3ドル54セント)を上回った。
10月13日発売の「Quest 2」が好調で、Oculus製品やPortal(日本未発売)などを含む「その他」の売り上げが156%増だった。「その他」部門の総売上高に占める割合はまだ3%だ。広告の売り上げも31%増と好調だった。
サービスとしてのFacebookのMAU(月間アクティブユーザー数)は12%増の28億人。DAU(日間アクティブユーザー数)は11%増の18万4000万人だった。10月から、新規にOculus端末を使うユーザーはFacebookアカウントが必須になっている。
Facebook、Instagram、Messenger、WhatsAppのユーザーをまとめた「ファミリー」のMAUは14%増の33億人、DAUは15%増の26億人。
マーク・ザッカーバーグCEOは発表文で「このような困難な時期に人々や企業が引き続きサービスを利用していたため、力強い年度末を迎えることができた。経済的機会を創出し、コミュニティを構築し、人々が楽しむための新しく有意義な方法を構築しており、2021年の製品ロードマップに興奮している」と語った。
2021年第1四半期については、「パンデミックによる広告需要の減少によって悪影響を受け」、鈍化すると予想した。
また、米Appleが「iOS 14」で広告トラッキング申告機能を追加することと、(各国当局による)“規制環境の進化”により、「2021年には、より重大な広告ターゲティングの逆風に直面することが予想される」としている。
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