Google、Apple、Twitterなどが加盟するAIC、香港当局のデータ法改定に「サービス停止の可能性」と警告
Google、Apple、Facebook、Amazon、Twitter、楽天、LINEなどが加盟する香港の業界団体アジアインターネット連盟(AIC)が、香港当局が進めている個人データ保護法改定に懸念を表明した。AICは当局宛の書簡で、改定がこのまま決まれば、企業にとって「問題を回避する唯一の方法はサービスを停止すること」としている。
GoogleやApple、楽天、LINEも加盟する香港に拠点を置く企業団体、アジアインターネット連盟(AIC)は7月5日(香港時間)、香港特別行政区当局PCPDが5月に発表した個人情報保護法(PDPO)改定に関する書簡をPCPDに送ったと発表し、法案の修正を提案する書簡をPDFで公開した。書簡は6月25日付だ。
AICが問題にしている改定は、個人情報を本人の許可なくオンラインでさらす、いわゆる「doxxing」行為を取り締まるもの。改定案では、doxxing防止法の違反者は最高5年の懲役、最高100万香港ドルの罰金を科せられる。また、コンテンツの削除命令にプラットフォームが従わない場合、プラットフォームにも責任を問い、場合によっては従業員個人に責任を負わせる。
この改定のきっかけになったのは、2019年の「逃亡犯条例」改定案を巡るデモ活動で、警察官などの個人情報がさらされたことだった。
AICは、doxxingは確かに深刻な懸念事項ではあるが、「コンテンツ削除リクエストの評価に関する厳しい制裁措置、特に個人の責任を追求することになると、プラットフォームはコンテンツを過剰にブロックするようになり、表現の自由に深刻な影響を与える可能性がある」という懸念を示し、「プラットフォーム企業にとって、この問題を回避する唯一の方法は、香港への投資とサービスの提供を控えることだ」と警告した。
AICは、香港のデータ保護で積極的な役割を果たすことを目指しているとし、当局に対し、AICの修正案に基づくビデオ会議の開催を要請した。
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