仏政府、Googleに5億ユーロ(約650億円)の制裁金 記事スニペット表示関連で
仏政府の競争監視局が、Googleに5億ユーロ(約650億円)の制裁金を科すと発表した。検索結果やGoogle Newsでのメディア記事スニペット表示に関し、Googleがメディア企業との交渉を怠ったため。命令に従わない場合、さらに1日当たり90万ユーロの追徴金を科す。
フランス政府の行政機関である競争監視局は7月13日(現地時間)、米Googleに5億ユーロ(約650億円)の制裁金を科すと発表した。欧州連合(EU)の著作権規則に基づくプラットフォームでの記事コンテンツ使用をめぐり、メディア企業との誠実な交渉を怠ったとしている。
さらに、向こう2カ月以内に記事の使用に関してメディアに報酬を提供する方法を説明するよう命令した。Googleがこれを実行しない場合、実行するまで1日当たり90万ユーロの追徴金を科す。
Googleに対しては、複数のメディアが、記事や動画コンテンツの一部(スニペット)を検索結果やGoogle Newsなどに表示する際、十分な対価を支払っていないと批判していた。競争監視局は昨年、Googleに対し、メディアの記事の抜粋を表示することに関して、ニュースメディア各社との交渉を命じた。
だが、AFPなどの複数のメディアや通信社が昨年9月、Googleが当局の命令に違反していると申し立てた。Googleがメディアとの話し合いで、同社が打ち出したグローバルな新コンテンツサービス「News Showcase」にフォーカスし、著作権に保護されたコンテンツの使用に基づく関連する権利は、個別の金銭的評価のない補助的な要素に過ぎないと主張したという。さらに、GoogleはAFPに対し、通信社はサードパーティーメディアのコンテンツに関して報酬を得ることはできないと主張した。
GoogleはReutersなどに対し、この決定に非常に失望したが従うとし、「仏競争当局のフィードバックを考慮に入れて、提案を適応させる」という声明文を送った。
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