ウェザーニューズ、Cookieに頼らない「天気連動型動画広告」 CTRは従来比40%向上
ウェザーニューズ社は、スマホアプリ「ウェザーニュース」内でCookieに頼らずユーザーの好みに合う広告を配信する「天気連動型動画広告」の提供を始めた。アプリの利用情報とユーザーの位置情報、気象情報を活用する。
ウェザーニューズ社は7月19日、スマートフォン向け天気アプリ「ウェザーニュース」内でCookieに頼らずユーザーの好みに合う広告を配信する「天気連動型動画広告」の提供を始めたと発表した。アプリの利用情報に加え、1km単位で把握したユーザーの位置情報と気象情報を基に、広告を表示するという。
アプリ内の「お洗濯情報」「ゴルフCh.」「紫外線予報」「熱中症情報」などを閲覧したユーザーに動画広告を配信。例えば「お洗濯情報」を見ていたら洗濯洗剤の広告、「紫外線予報」を見ていたらUVケア商品の広告を表示する。広告主はウェザーニューズと共同で動画コンテンツを制作し、広告として流すことも可能という。
2020年7月から提供している、位置情報や気象情報を基に画像広告を配信する「天気連動型広告」を動画に対応させ、新たにアプリの利用情報も活用する仕組みに。試験運用では、天気連動型広告に比べてクリック率(CTR)が40%以上向上したという。ウェザーニューズ社は「脱Cookie時代に向けて、ユーザーに適した訴求力の高い広告に取り組む」としている。
インターネット広告を巡っては、プライバシー保護の観点からサードパーティーCookieの廃止が世界的に進んでおり、20年1月には米GoogleがWebブラウザ「Chrome」でのサードパーティーCookie廃止を表明。米AppleはiOSの端末を識別する広告IDの活用に本人確認を必須にした。日本でも20年に個人情報保護法が改正され、Cookieの取得や活用に本人の同意が必要になった。
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