DuckDuckGo、メールの広告トラッカーを排除する「Email Protection」サービス受付開始
トラッキングしない検索エンジンを提供するDuckDuckGoが、メールのトラッカーを削除してからユーザーの受信箱にメールを送る新サービス「Email Protection」を発表した。プライベートβ利用にはウェイティングリストへの参加が必要だ。
「あなたを追跡しない検索エンジン」を謳う米DuckDuckGoは7月20日(現地時間)、メールに含まれるトラッカーを削除してから受信箱に送る新無料サービス「Email Protection」(プライベートβ版)を発表した。
トラッカーは、広告ターゲティングなどの目的でメールに埋め込まれるツール。メールの受信者が、いつどこで、どんな端でメールを開いたかなどの情報を収集できる。DuckDuckGoによると、メールの約7割にはトラッカーが含まれているという。
ユーザーはEmail Protectionを使うことで、メールアドレスを変更したりせずに、受信メールからトラッカーを排除できる。
ユーザーに無料の「@duck.com」アドレスを提供する。このアドレスは、DuckDuckGoアプリあるいはブラウザ拡張機能で生成する一意の使い捨て転送アドレスで、受信したメールのトラッカーを分析して削除した後、ユーザーの通常の受信トレイにメールを転送する。
この一意のアドレスは、Webサイトのログインにも利用できる。メインのメールアドレスではなく@duck.comでログインすることで、そのサイトによるターゲティングを回避でき、サイトがデータ侵害に遭ってもメインメールアドレスが漏洩するようなこともない。また、スパムが増えたらアドレスを簡単に無効化できる。
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もちろんDuckDuckGoはユーザーのメールを保存しない。
Email Protectionのプライベートβ版の利用希望者は、ウェイティングリストに登録する必要がある。登録するには、iOSあるいはAndroid版のDuckDuckGoアプリの[Settings]→[Email Protection]を開き、「Join the Private Waitlist」をタップする。個人情報などの入力は不要だ。
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