日本人の現金使用額は中国人の7倍 銀聯が日中韓のキャッシュレス動向を調査
カードブランド「銀聯」(UnionPay)を運営する中国・銀聯国際の日本支社による、日中韓300人へのキャッシュレス決済の動向調査によると、日本人の現金使用額は中国人の約7倍であることが分かった。
日本人の現金使用額は中国人の7倍という調査結果を、カードブランド「銀聯」(UnionPay)を運営する中国UnionPay International(銀聯国際)の日本支社が8月16日に発表した。日本は1カ月に使用する現金の平均使用額が2万663円となり、3カ国中最多。韓国と比較しても2倍以上の現金を使用しているという。
同社は4月から5月にかけて、日中韓の20代から60代の男女300人を対象に、キャッシュレス決済の利用状況をネット調査。現金の平均使用額はそれぞれ、2万633円(日本)、9640円(韓国)、2848円(中国)となり、日本の現金志向が鮮明になった。
同社はクレジットカードやQRコード決済など、どのキャッシュレス決済を最も使用するかについても調査した。日本と韓国はクレジットカードが最多となり、それぞれ90%(日本)、83%(韓国)となった一方、中国はQRコード決済が86%と最多で、クレジットカードはデビットカード(71%)に次ぐ60%だった。日本でクレジットカードに次いで使用頻度が高いのは電子マネーで68%。SuicaやPasmoなど交通系ICカードの普及が進んでいる点も、大きな要因とみられる。
QRコード決済の使用額では日本は「1000円未満」が最多の59.2%だったのに対し、中国は1万円以上使用するユーザーが34.9%を占め、QRコード決済時の傾向にも違いがあることが分かった。キャッシュレス化の不安要素については、3カ国ともに「セキュリティ」を挙げる声が最も多かった。
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