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がん患者1万人のデータを分析、「低栄養」の予測AI構築へ 富士通や大塚製薬が共同研究
大塚製薬工場は国立がん研究センターなど3組織と共同で、栄養素の摂取量が必要量よりも少ない「低栄養」(栄養不足)のリスクをAIで予測するサービスの共同研究を始めると発表した。
大塚製薬工場は8月24日、国立がん研究センターなど3組織と共同で、栄養素の摂取量が必要量よりも少ない「低栄養」(栄養不足)のリスクをAIで予測するサービスの共同研究を始めると発表した。国立がん研究センターが保有するがん患者1万人の診療データを大塚製薬工場のAIで分析。栄養不足の原因を絞り込み、がん患者が栄養不足になるリスクを予測する新たなAIモデルを構築するという。
研究には国立がん研究センターに加え、富士通や国立長寿医療研究センターも参加。富士通はデータ分析のプラットフォームを、国立長寿医療研究センターは栄養不足にある人を見分けるための知見を提供する。
大塚製薬工場などによれば、がん患者が栄養不足になると、治療や手術の後に状態が悪化する「予後不良」につながる場合があるという。開発したAIで栄養状態の悪化を予測できれば、適切なタイミングでの処置がしやすくなるとしている。
将来は研究で得たAIモデルを全国の医療機関に提供することを目指す。共同研究は2022年3月末まで。
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