Facebook、著名人への性的嫌がらせを禁止するポリシー改定
「ユーザーの安全より自社の利益を優先している」と批判されているFacebookが「いじめと嫌がらせ」についてのポリシーを更新した。これにより公人・著名人に対する「深刻な性的コンテンツ」を削除する。ポリシーに違反していなくても場合によっては対象になる。
米Facebookは10月13日(現地時間)、「コミュニティ規定」の「いじめと嫌がらせ」についてのポリシーを更新し、公人・著名人に対する「深刻な性的コンテンツ」の削除を開始すると発表した。この更新では、一般ユーザーに対する組織的な嫌がらせ対策も追加された。
この更新の一環として、有名人、政治家、コンテンツクリエイターなどの公人に関する性的コンテンツに特化したプロファイル、ページ、グループ、イベントを削除する。同社の安全担当グローバルヘッド、アンティゴネ・デイビス氏は公式ブログで「侮蔑的で性的な、Photoshopなどで加工した写真や描画」「ボディファンクションの過程の個人を描いた下劣なコンテンツ」などを禁止すると語った。
ボディファンクションとは、生理現象による身体的機能のこと。既に改訂版になっている英語版のポリシーには、「月経、排尿、嘔吐、排便の過程または直後に描かれている個人に対して、さらに劣化または嫌悪感を表すコンテンツを投稿する」ことを禁じるとある。
また、投稿やメッセージが同社のポリシーに違反していない場合でも、「オフラインでの危害のリスクが高い」ユーザーに対する大規模で組織的な攻撃を禁止する新たな項目も追加された。投稿だけでなく、ユーザーに対するDMも対象になる。
さらに、公人ではなくても、社会的発言で意図せず有名になってしまった個人やジャーナリストに対する嫌がらせ行為も禁じる。
このポリシー更新は、元Facebook従業員によるリークに基づいて米Wall Street Journalが「ユーザーの安全より自社の利益を優先している」とする批判記事を連載し、社会問題化した後に行われた。リークしたフランシス・ホーゲン氏は公聴会で証言するなどで有名になっている。同氏のものと思われるFacebookアカウントはあるが、パブリックな投稿はない。
ポリシーの日本語版は本稿執筆現在、まだ改訂版が公開されていないが、表示言語を英語に変更すると新ポリシーを確認できる。
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