Facebook幹部、“WSJ砲”関連公聴会でほとんど回答せず 10月5日には内部告発者召喚の公聴会
米上院の小委員会はFacebookとInstagramが若者のメンタルヘルスに与える害についての公聴会を開いた。召喚されたFacebook幹部は「害よりも益が多い」と主張し、議員らの要請を受け流した。
米上院消費者保護、製品の安全性、およびデータセキュリティに関する小委員会は9月30日(現地時間)、米Facebookの安全担当グローバルヘッド、アンティゴネ・デイビス氏を召喚しての公聴会を開いた。タイトルは「オンラインで子供を保護する:Facebook、Instagram、メンタルヘルスの害」。
この公聴会は、米Wall Street Journal(WSJ)が入手したFacebookの内部調査資料に基づいて連載した一連の告発記事を受けて開かれるもの。WSJは、FacebookがInstagramが若者に与える悪影響について把握していたにもかかわらず対処しなかったと非難している。
小委員会委員長のリチャード・ブルーメンソール議員(コネチカット州選出・民主党)は開会の辞で、「Facebookは日常的に子どもの安全よりも利益を優先していることを知っている」「Facebookは国民とわれわれをだまそうとし、子どもの脆弱性を武器にした」と語った。
デイビス氏は一貫して冷静に話したが、多くの質問に持ち帰って確認すると答えた。また、既にFacebookが公式ブログで主張している「Instagramは10代の女性の問題を悪化させるのではなく、積極的に助けている」ということを繰り返した。
同氏はまた、パンデミックで学校が閉鎖される中、Facebookの製品は若者にとっての「ライフライン」だったと語った。
議員らは、子供向けアプリには「いいね」ボタンを付けないようにするなど、幾つかの要請をしたが、デイビス氏はすべての要請を受け流した。
同委員会は10月5日にはFacebookの内部告発者を召喚する「オンラインで子どもを保護する:Facebookの内部告発者からの証言」という公聴会を開く予定だ。
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