Facebook、一連の「問題放置体質」“WSJ砲”は「単なる誤り」と反撃
Wall Street Journalが入手したFacebookの内部文書に基づいて、同社の問題体質についての記事を連続で公開。Facebookが内部調査結果が自身にとって不利な場合はその結果を無視していると批判した。Facebookの幹部はこれに対し、「単なる誤り」と反論した。
米Wall Street Journalが9月14日(現地時間)から連続して掲載している米Facebookの内部文書に基づく暴露記事について、Facebookの国際業務担当副社長のニック・クレッグ氏は18日、公式ブログで一連の記事は「単なる誤り」だと反論した。
Wall Street Journal(以下WSJ)はまず14日に、Facebookが数年にわたって実施したInstagramが若者に与える影響についての研究報告を入手したとし、その主な内容を紹介する記事を公開した。WSJはこの記事で、Facebookがこうした問題を把握していたにもかかわらず、「公の場ではInstagramが10代に与える悪影響を一貫して軽視しており、内部調査の結果を公開したり、結果の開示を求める研究者や議員に提供したりしていない」と批判した。
WSJはその後、やはり内部文書に基づいて、Facebookが人身売買や違法薬物取引に悪用されているという従業員の問題提起に上層部が真摯に取り組んでいないという記事と、Facebook上でアンチワクチン投稿が溢れているという記事を公開した。
クレッグ氏は一連の記事について、「われわれの取り組みに対する意図的な誤解が含まれている」とし、「Facebookが内部調査結果が自身にとって不利な場合は体系的かつ意図的にその結果を無視しているという一連の記事が主張していることは単なる誤りだ」と断定した。
「(内部文書で報告された)これらの問題は深刻で複雑なものであり、簡単に答えを出せるようなものではない」。「新聞の見出しで注目されたりしたくないにも関わらず」こうした内部調査を行うのは、問題の深刻さを理解し、取り組もうとしているからこそだとクレッグ氏は主張した。
WSJの記事が引用した内部文書の内容は、例えば「10代の女性の3人に1人が自分の体のイメージの問題を悪化させている」というスライド、「10代の若者は不安とうつ病の増加についてInstagramを非難している。(中略)これはすべてのグループで一貫していた」という報告、Facebookが2018年に企業やブランドより友達の投稿を優先するようアルゴリズムを変更した後、このアルゴリズム変更で「誤情報、暴力的なコンテンツの再共有が急増した」「われわれのアプローチは、政治やニュースなどのコンテンツの重要な部分に不健康な副作用をもたらした」という内部報告などだ。
クレッグ氏は、2018年10月にFacebook入りした元英国副首相。前任者のエリオット・シュレージ氏は、同社が企業を雇って競合や自社に批判的な個人を中傷するキャンペーンを展開したという米New York Timesによる暴露記事公開後、退社した。
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