Facebookのヘイトスピーチ対策が不十分として大手広告主が多数ボイコット
Facebookのヘイトスピーチ対策が不十分としてADLが大手広告主に広告引き上げを求める公開書簡を送ったことを受け、North FaceやEddie Bauerなどのブランドや、通信キャリア大手のVerizonなどが少なくとも7月いっぱい、対策が強化されるまで広告をボイコットすると宣言した。
米通信キャリア大手のVerizonは6月25日(現地時間)、米Facebookがプラットフォーム上のヘイトスピーチ対策を整えて「われわれが快適に感じられるよう解決するまで」広告を引き上げると米CNBCに語った。
Facebookに対する広告ボイコットに関しては、米CNNが20日に米ファッションブランドNorth Faceの表明を報じ、その後拡大している。Mozilla、Eddie Bauer、Patagonia、REI、Ben & Jerry'sなどもボイコットを表明した。
この動きは、米国最大のユダヤ人組織Anti-Defamation League(ADL)など6団体が広告主に公開書簡で「安全よりも利益を重視する企業(Facebookのこと)をサポートしないよう求め」たことが契機となり拡大している。団体は広告主らに対し、少なくとも7月いっぱいはボイコットを続けるよう求めている。
Facebookは、米Twitterは非表示にしたドナルド・トランプ米大統領の攻撃的な投稿を放置していることで批判されている。
Anti-Defamation Leagueは、Verizonの広告がFacebookの反ユダヤ主義的なQAnonの動画の横に表示されたと、Verizonへの公開書簡で紹介した。
米Wall Street Journalによると、Facebookは広告主らに対し、「すべてのブランドの決定を尊重し、プラットフォームから悪意ある表現を削除する作業を続ける」というメールを送ったという。
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