Facebook、13歳未満向けInstagram計画を一時停止 “WSJ砲”受け
Facebookは13歳未満向けのInstagramを計画していたが、一時停止すると発表した。Instagramの若者への影響についての内部研究に基づくWall Street Journalの記事で批判が高まったことを受けての決定だ。同社はこの記事を認めてはいない。
米FacebookでInstagramのトップを務めるアダム・モッセーリ氏は9月27日(現地時間)、13歳未満向けサービス「Instagram Kids」のプロジェクトを一時停止すると発表した。米Wall Street Journal(以下WSJ)による一連の報道でInstagramの若者への悪影響について批判が高まっていることを受けての決断だ。
WSJの記事をきっかけに、米連邦議会上院の消費者保護、製品の安全性、およびデータセキュリティに関する小委員会はFacebookの安全担当グローバルヘッドのアンティゴネ・デイビス氏を9月30日の公聴会「オンラインで子供を保護する:Facebook、Instagram、メンタルヘルスの害」に召喚した。
Instagramは現在、13歳未満での利用は禁止しており、アカウント作成に際しては実年齢での登録が義務付けている。モッセーリ氏によると、それでも子どもたちは年齢を偽ってInstagramやその他のアプリを使っているという。
そこで、子どもたち(トゥイーンと呼ばれる10〜12歳)向けに、参加するには保護者の許可が必要で、広告が表示されず、保護者がアプリ利用を管理できるInstagram Kidsを提供しようと取り組んできたのだと説明した。
だが、WSJによるInstagramに関する未公開の内部研究についての一連の記事で懸念が高まった。「われわれはWSJの報告に同意しない」が、プロジェクトを一旦停止し、「保護者、専門家、政府、規制当局と協力し、この計画の価値と重要性について説明していく」としている。
「私には3人の子どもがおり、彼らの安全は私の人生で最も重要なことだ。(公式には発表されていなかった)このプロジェクトに関する懸念を聞き、問題を解決できるよう説明することにした」(モッセーリ氏)
FacebookはWSJの記事に反論する公式ブログも別途公開しているが、問題になっている研究資料は公開していない。
関連記事
- Facebook、一連の「問題放置体質」“WSJ砲”は「単なる誤り」と反撃
Wall Street Journalが入手したFacebookの内部文書に基づいて、同社の問題体質についての記事を連続で公開。Facebookが内部調査結果が自身にとって不利な場合はその結果を無視していると批判した。Facebookの幹部はこれに対し、「単なる誤り」と反論した。 - Instagramは多くの若者にとって有害との内部調査結果をWSJが暴露
Wall Street Journalが、「FacebookはInstagramが若者にとって有害だと知っていたことが社内文書で明らかに」という記事を掲載。これに対しInstagramは調査の一部をネガティブに紹介していると反論し、対策していると主張した。 - Instagram、本当の誕生日登録を全ユーザーに義務付けへ
Instagramユーザーは全員、本当の誕生日をプロフィールに入力しなければならなくなる。同サービスが取り組む若いユーザー保護の取り組みの一環だ。将来的には年齢詐称をAIで検出する計画。 - Instagram、16歳(18歳)未満アカウントの初期設定を非公開に 広告にも制限
Facebookが傘下のInstagramを含むサービスで若いユーザーを保護する新機能を複数発表した。Instagramでは16歳未満がサインアップする際、初期設定で非公開にする。また、アクティビティに基づく広告ターゲティングを禁止する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.