「その日本語、ちょっと違うよ」中国語フォントとの違いを見せる海外開発者向けページ 「例が秀逸」と話題
日本語の文章で中国語のフォントを使ってしまうことを注意喚起する英語のWebページが話題に。日本語なのに簡体字・繁体字の漢字を使っている違和感の説明などが「例が秀逸」「全ての開発関係者が目を通してほしい」と注目を集めている。
「日本語で繁体字や簡体字(のフォント)を使うと、日本語ネイティブには奇妙に見える。aとαどころではなく、英語をキリル文字など形の似た字を交えて書くくらい変だ」──海外開発者に向け、日本語の文章で中国語のフォントを使ってしまうことをこのように注意喚起した英語のWebページが「例が秀逸」「全ての開発関係者が目を通してほしい」と話題を集めている。
日本語を繁体字や簡体字のフォントで書く違和感を英文で例えた文章。「It would be looking something like this」をキリル文字などアルファベットに似た言語を交えて書いている(Needleさんが公開しているページから引用)
Webページではフォントの違いがもたらす違和感に加え、繁体字、簡体字、日本語フォントの違いを図説。「刃」の字を使ってそれぞれの違いを説明している他、フォントの間違いを確認する方法やその原因、解決方法なども英語で説明している。
制作したのは、フリーランスエンジニアとしてVRゲームの制作支援などを行っているというNeedleさん(@needle)。実はこのページは数年前に作っていたが、公開するタイミングがなく、非公開のままにしていたという。
しかし海外の友人が制作に関わったゲームを遊んだときに存在を思い出し、直後に参加したVR技術のトークイベントでこの話題を取り上げ、10月27日にページを公開したところ、開発者を中心に話題になった。
Needleさんによれば、こういったフォントの取り違えは欧米製のPC向けインディーゲームの日本語版などでよく見られるという。一方で日本でヒットした作品や、いわゆる「AAAタイトル」と呼ばれる大手ゲーム企業の日本語版でも珍しくなく「体感では、4〜6割くらいは表示フォントをはじめとした問題がある気がする」。
こういった背景を踏まえ、Needleさんは海外開発者が集うニュースサイト「Hacker News」にもこのページを投稿。英語圏の開発者に向け問題の周知を図っている他、分かりにくい部分を指摘してもらうなどしてページ自体の改良も進めている。特にiOS/Androidのネイティブアプリ(OS上で実行するアプリ)環境については記述を充実させるために詳しい人のアドバイスを募っている。
こういった活動が奏功し、すでにページを見た英語圏の開発者から「自分のサービスの表示が間違ってるのに気付いたので直してみる」といった報告もあったという。
「報告があった時にはページを作ったかいがあったと思った。(ゲームなどの)日本語版を作ってもらえるのは非常にありがたいことで、開発者もわざとやっているわけではないのだが、知られていない・伝わっていないという事は本当に深刻な問題だと感じている」
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