「みんながエッチなことに真摯だった」──ただのモザイクをエッチな画像に“進化”させるプロジェクト、Googleの広告BANで目標達成 開発者に聞く(1/2 ページ)
「2つのモザイク画像の中からセクシーに感じるものをクリックすると、だんだん画像がエッチになっていく」プロジェクトが話題に。仕組みや制作の経緯を開発者に聞いた。
2つのモザイク画像の中からセクシーに感じるものをクリックすると、だんだん画像がエッチになっていく──ネット上でこんなプロジェクトが話題になっている。
プロジェクト名は「遺伝的アルゴリズムで最高にエッチな画像を作ろう!」。開発者は独学でJavaScriptを学んでいるという群青ちきんさんだ。ページでは、ランダムに生成した2枚の画像を表示。ユーザーは、2つのうちより性的だと感じたものをクリックして選択する。その結果から「遺伝的アルゴリズム」という手法を基に、次回以降はより性的な画像を生成することで“エッチ”な画像を作っていく──という仕組みだ。
開発にはJavaScriptとPHPを利用した。プロジェクト開始から2月12日までのユニークユーザー(UU)は合計で約125万人で、ピーク時には1日約20万ものUUがいたという。プロジェクトを始めた経緯について、群青ちきんさんはこう話す。
「Google Adsenseが表示する推定収益と、実際の収益が違うことに不満があった。前々から遺伝的アルゴリズムで画像を作れそうだなと頭の片隅で考えており、年末年始で暇だったため、Googleに一杯食わせてやろうという思いで作った」
実際に、2000万回以上のクリックを経て生成された画像は女性の裸体といえるものになり、Googleからは広告制限の連絡も来た。そんなプロジェクトの一部始終を、群青ちきんさんにインタビューした。
もしもエッチな画像を自動的に作れたら
遺伝的アルゴリズムとは、あるデータを目標に近づけるために使われる手法だ。元となるデータを持つ個体を複数用意し、そのうち目標に近いものを生き残らせる。生き残った個体は自身が持つデータの特徴を遺伝子として子孫のデータを生み出し、世代交代していく。これを繰り返すことで、遺伝子となるデータの特徴が目標に近づいていく。
今回の場合、遺伝子は画像を構成する長方形や楕円形などの図形の位置や形、色に当たる。世代交代の際には、選ばれた上位5位のうち2つの遺伝子をランダムに掛け合わせ、子孫の個体を作っているという。
Google Adsenseは、米Googleが提供するクリエイターや開発者向けの広告サービスだ。連携したサイトを閲覧するユーザーに広告を表示し、クリックがあればサイトの持ち主に報酬を支払う。ただし、性的なコンテンツを表示するサイトとの連携は規約で制限している。
しかし、群青ちきんさんはこの規約に対し「アルゴリズムで自動生成されたエッチな画像にはどう対応するのか」と考えていた。そのため、ページは開始当初からGoogle Adsenseと連携させ、プロジェクトのゴールを「Google AdSenseが止まったら勝利」と定めていたという。
「想定よりみんながエッチなことに真摯だった」
多くのユーザーが利用するこのプロジェクトだが、群青ちきんさんは当初、本当にえっちな画像が生まれるとは思っていなかったという。
「そもそも自分は遺伝的アルゴリズムに詳しいわけではなく、ページを作る際もネットを見ながらやっていた。周囲の人にも無理といわれていたため、実現すると思っていなかった」
しかし、画像が548万回ほどクリックされはじめたころ、最初はただのモザイクだった画像に女性の乳房のようなパーツが出現。その後約750万クリックでは顔と胴体、約824万クリックではへそ、脚、口、約1600万クリックで腕が現れた。以降も髪色が変わったり、腕の向きが変わったりといった変化があったという。
当初の予想を裏切り、画像がエッチになっていった理由について、群青ちきんさんはこう分析する。
「悪意のある選択をする人が多いと思っていたが、思っていたよりみんなが協力してくれた。『2ちゃんねる』(5ちゃんねる)の『なんJ』板でシェアされ始めた際には終わったと思ったが、想定よりみんながエッチなことに真摯だった」
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