Google、「プライバシーサンドボックス」で独立監視者任命を約束
英政府の競争規制当局CMAは、Googleから「プライバシーサンドボックス」に関する改善したコミットメントを受理したと発表した。独立した監視受託者の任命などが含まれる。CMAはこれについて12月半ばまで協議する。
英政府競争規制当局の競争・市場庁(CMA)は11月26日(現地時間)、1月から独禁法違反の可能性を調査中の米Googleの「プライバシーサンドボックス」の取り組みについて、Googleから改善したコミットメントを受理したと発表した。
CMAは12月17日までこの新たなコミットメントについて協議する。このコミットメントが認められた場合、CMAの調査は終了し、新たな監視段階に進む。
Googleは、「CMAがこのコミットメントを受け入れれば、これを世界で適用する」としている。
プライバシーサンドボックスは、Googleが2019年8月に発表した、ユーザーのプライバシーを保護しつつ適切な広告を表示するための、サードパーティーCookieに代わる取り組み。
この計画に対しては、広告主やパブリッシャーから懸念の声が上がっている。特に、Googleの市場支配力が高まり、Googleが自社を優先する恐れがあるという主張が多かった。CMAの調査はこれらの懸念を受けたものだ。
Googleは今年の3月に、ChromeブラウザでのサードパーティーCookieの完全廃止とプライバシーサンドボックス採用に向けた計画を発表したが、6月にはCMAや欧州委員会による調査に協力するため、その実行を2023年後半まで延期すると発表した。
コミットメント全文はCMAのWebサイトで確認できる。Googleは公式ブログで要点を以下の3点にまとめた。
- 専門知識を持つ独立した監視受託者の任命
- プライバシーサンドボックスに関する市場からのフィードバックを取得するためのより高い透明性
- Google自身も、Google以外のWebサイトに表示される広告のターゲティングと測定のためにGoogleのファーストパーティーデータを使ってユーザーを追跡しない
Googleは「Chromeで行った変更は、Googleの広告技術製品にもサードパーティーと同じように適用され、プライバシーサンドボックスAPIは、規制の監視とCMAおよびICO(英個人情報保護監督機関)の意見に基づいて設計、開発、実装されている」と語った。
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