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暗号資産関連犯罪、2021年に140億ドル相当が奪われる──Chainalysis調べ
Chainalysisが2021年の暗号資産関連犯罪についての調査結果を発表した。年間で140億ドル相当が犯罪者の手に渡ったとしている。その背景には分散型金融(DeFi)の台頭があると指摘する。
暗号資産関連犯罪規模が2021年に史上最高を記録し、年間で140億ドル相当が犯罪者の手に渡った──。ブロックチェーン監視ツールを手掛ける米Chainalysisは1月6日(現地時間)、このような調査報告を発表した。ただし、暗号資産の2021年の総取引量は前年比567%増の15兆8000億ドルと急増しており、暗号資産に占める違法行為の割合はかつてないほど低かったとしている。
犯罪増加の主な要因はDeFi(Decentralized Finance、分散型金融)プラットフォームの台頭によるものとChainalysisは指摘する。DeFiは、金融取引から銀行などの仲介業者を排除することを目的としており、集権的な管理者が不在だ。Chainalysisによると、DeFiのトランザクション量は2021年に912%増加した。
暗号資産の盗難は516%増の32億ドル相当。このうち、72%がDeFiプロトコル経由だった。
Chainalysisは、DeFi悪用に対抗する方法の1つは「より良いコミュニケーションだ。投資家が疑わしいプロジェクトを回避する方法を学ぶのを支援する上で、民間と公的機関の双方には重要な役割がある」と指摘する。長期的には、より抜本的な措置が必要になる可能性があるとしている。
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