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トラッキング現象の“予兆”捉えるスマート分電盤 東電と足立区が実証実験
東京電力は25日、火災の原因になる「トラッキング現象」をスマート分電盤で事前に検知するサービスの実証実験を東京都の足立区と共同で実施すると発表した。
東京電力グループは1月25日、スマート分電盤を使って火災の原因になる「トラッキング現象」を事前に検知する防災サービスの実証実験を東京都足立区と共同で実施すると発表した。全国初の取り組み。
トラッキング現象はコンセントとプラグのすき間にたまったホコリが空気中の湿気を吸収し、漏電、発火する現象。実験では電力センサーを搭載したIoT機器を家庭の分電盤の中に設置し(=スマート分電盤)、トラッキング現象の予兆として発生する細かい放電現象を捉える。
予兆を検知したスマート分電盤はLTE回線で専用サーバに情報を伝達。東電が技術者を派遣して原因を取り除く。
スマート分電盤は情報ハブとしても活用する。通信機能を生かし、自治体が発信する防災情報を宅内のタブレット端末に配信したり、トラブル発生時に住人から消防や自治体へ安否情報を発信したりできる。東電は「様々な防災上の課題を同時に解決する」としている。
システム開発や電力データの収集・分析は東京電力パワーグリッドが担当。東京電力ホールディングスがサービス設計を行う。
足立区は今後、住民説明会などを開いて2021年度中(3月まで)に5世帯、22年度に95世帯のモニターを募集する考え。木造住宅が密集する地域(木密地域)を抱える足立区にとって不燃化は大きな課題となっている。
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