厳しい戦いを強いられるTポイント 競争激しい共通ポイントの今を決済ジャーナリストにいろいろ聞いた:ヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(4/4 ページ)
大手企業の「Tポイント離れ」が起こっている一方で、「楽天ポイント」や「dポイント」が活発な共通ポイント業界。現状について決済ジャーナリストの鈴木淳也さんに聞いた。
2022年のキャッシュレス決済と共通ポイント
ヤマー 最後に、2022年も共通ポイントやキャッシュレスまわりで大きな動きがありそうですが、Jさんさん的に注目すべきポイントとかはありますか?
Jさん 2022年のTポイントについては、まだ某大手のマルチ化が控えています。だいたい皆さんが想像されている流れで進むと思われます。
ヤマー Tポイントのエクスクルーシブが薄れていくと。
Jさん キャッシュレスについては、個人間送金が割と重要トピックになると思います。
ヤマー といいますと?
Jさん 「ことら」が今年半ばのリリースを予定していて、さらに税公金の支払いのキャッシュレス化がさらに進むという話もあり、キャッシュレスの外堀が埋まっていく印象です。
ことらはメガバン5社が作った送金サービス会社ですね。まずはメガバンのバンキングアプリへの実装が進んで、徐々に周囲に広がっていきます。名称はCooperative Transferの頭文字をとったものになります。
ヤマー ことら……知らなかった……。多頻度小口決済……。どういう用途を想定しているんでしょうか。
Jさん まさに現金が多い部分ですね。例えば電子マネー使っている部分の送金。いまの銀行送金って比較的高い金額を想定しているじゃないですか。手数料の問題もあり。
マツ はい。
Jさん こういったサービスを使うと、割り勘や貸し借りがもっと簡単に行えます。
マツ その辺はKyashやPayPayが売りにしていた部分ですよね。
Jさん そうです。ただ、それらサービスは同一サービス内でしか送金が現状できませんが、ことらは電話番号やメールアドレスをエイリアスとして銀行口座を紐付けるので、ことら対応口座さえあれば、送金先指定がより広がります。
ヤマー なるほど、銀行口座をスマホのウォレットアプリの感覚で使えるようになるわけですね。
Jさん メガバンだけで1億以上の口座があるということで、都市部の住人であれば、シンプルに電話番号やメールアドレスの指定だけで送金が可能に。将来的には全銀協にいる1000以上の金融機関をつないでいきたいとのことなので、だいたいの金融機関がターゲットになります
マツ それは大きく変わりますね。
Jさん 米国でZelleという銀行コンソーシアムが運営する送金サービスがありますが、それをイメージしているとのこと
マツ ゼーレ……。
Jさん 英語的にはゼルですねw
Jさん これはBank of Americaのバンキングアプリですが、送金機能がZelleになっています。ボタンだけで送金機能を呼び出せる。ことらも同様の仕組みになると思われます。
ヤマー なるほど、相手の銀行口座とかを特に知らなくても数タップで送金できるのは便利だな……。PayPalっぽさも感じますが。
Jさん 口座番号を指定するの面倒ですしね。ペイジーとかが使いにくいのもそこだし。
マツ ということは、詐欺も横行しそうな気がしますが。
Jさん そのあたりは今後の提供側の腕の見せ所だと思います。Zelleも不正利用が報告されていたりするので、簡単=悪意のある第三者も利用しやすいという傾向があるので。
ヤマー スマホは持ってるけど、PayPayとかの個人送金機能を使ってない高齢者とかも利用しやすいサービスでしょうしね。
マツ マイナンバーとの紐付けとかやるんでしょうね。
Jさん どちらかというと、マイナンバーの紐付けは銀行口座でしょうね。銀行が運営するサービスなので。いずれにせよ、キャッシュレス推進でこれまで穴になっていた部分を埋めていくサービスが今年は増えてくるはずです。
ヤマー いろいろ楽しみですね。
マツ この1年でだいぶ使いやすくなりましたが、まだまだ期待できそうですね。
Jさん 法整備も進んでいますし、国や自治体の理解も進んでいます。このあたりから変わっていくのかなと。
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