ソニー、「Halo」や「Destiny」のBungieを36億ドルで買収
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)はゲーム企業Bungieを36億ドルで買収すると発表した。「Halo」や「Destiny」で知られるスタジオだ。買収完了後、独立した子会社として存続し、開発ゲームがプレイステーション独占になることはないとしている。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は1月31日(現地時間)、Xbox独占ゲーム「Halo」やマルチプラットフォームゲーム「Destiny」シリーズなどの開発で知られる米ゲーム企業Bungieを買収する正式契約を結んだと発表した。買収総額は36億ドル(約4100億円)。約2週間前には、米Microsoftが米ゲーム大手のActivision Blizzardを687億ドルで買収すると発表した。
買収完了後、Bungieは独立した子会社として運営され、「Destiny 2」を含む同社のゲームは、今後もマルチプラットフォームでの提供を続ける。Bungieは公式ブログで「われわれは(SIEと)世界中の世代を超えた人々、複数のプラットフォームを結びつけるフランチャイズを作成、育成するという夢を共有している」と語った。
Bungieはまた、この買収に関するFAQページで、「Light and Dark Saga」や「The Final Shape」などを含む同社のゲームがプレイステーション独占になることはないと繰り返した。
Bungieは1991年創業のワシントン州ベルビューに拠点を置く従業員900人以上のゲームスタジオ。2000年にMicrosoftに買収され、当時開発していた3DシューティングゲームHaloはXbox独占ゲームとして発売された。2007年にHaloシリーズの権利をMicrosoftに移譲して再独立し、2013年にはDestinyをプレイステーション 4(PS4)独占タイトルとして発表した。同社が開発し、Activision(当時)が発売したDestiny 2は、XboxやWindowsでもプレイできるマルチプラットフォームゲームになっている。
ソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長CEOは発表文で「クリエイティビティとテクノロジーの力で世界を感動で満たすというわれわれのPurposeの一環として、ソニーグループの多様な資産を活用し、Bungieのさらなる進化とマルチプラットフォーム、マルチメディアでの象徴的な世界を創造する能力を支援する」と語った。
関連記事
- なぜMicrosoftは7.8兆円投じてまでゲーム会社を買うのか 変革期に突入するゲームビジネス
米MicrosoftがActivision Blizzardを約7.8兆円で買収した。ZeniMax Mediaに続く大型買収だが、なぜMicrosoftはゲーム会社を次々に買収するのか。そこにはゲームビジネスが大変化しつつあるためだ。その背景をひもとく。 - Microsoft、ゲーム大手Activision Blizzardを687億ドルで買収
Microsoftがゲーム大手Activision Blizzardを買収すると発表した。買収総額は687億ドル(約7兆8750億円)と同社として過去最高額。ゲームビジネスを拡充し、メタバースの構成要素を獲得する狙い。 - 「グランド・セフト・オート」のTake-Two、モバイルゲームの老舗Zyngaを127億ドルで買収
PCやコンソールゲーム大手のTake-Twoが「FarmVille」などのモバイルゲームで知られるZyngaを買収すると発表した。買収総額は約127億ドル。ZyngaはTake-Two傘下のブランドとして今後もモバイルゲームを提供していく。 - Epic Games、Harmonixを買収 「メタバースで音ゲーを」
「Fortnite」のEpic Gamesが「ギターヒーロー」などの音楽ゲームのHarmonixを買収した。Harmonixは「Epicと協力して独自ブランドの音楽ゲーム体験をメタバースにもたらす」と語った。 - SIEが格闘eスポーツ大会「EVO」を開催元から買収 運営は子会社が引継ぎ
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、ベンチャー企業と共同で格闘ゲームの世界大会「EVO」に関する資産を運営元から買収。EVOの運営は今後、SIEとベンチャー企業が設立した合弁会社が行う。 - SCE、「プレイステーション 4」発表 年末発売へ
SCEが据え置き型ゲーム機の次世代機「プレイステーション 4」(PS4)を発表した。2013年の年末商戦向けに発売される。 - 「Halo」開発部門がMSから独立
Microsoftが傘下のゲーム開発部門Bungie Studiosをスピンオフ。Microsoftは今後も少数株主持分を保有するという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.