Microsoft、ゲーム大手Activision Blizzardを687億ドルで買収
Microsoftがゲーム大手Activision Blizzardを買収すると発表した。買収総額は687億ドル(約7兆8750億円)と同社として過去最高額。ゲームビジネスを拡充し、メタバースの構成要素を獲得する狙い。
米Microsoftは1月18日(現地時間)、米ゲーム大手のActivision Blizzardを買収すると発表した。買収総額は687億ドル(約7兆8750億円)で、完了すれば2016年の262億ドルのLinkedIn買収を超える、同社として最大の買収になる。取引は2023会計年度(2022年7月〜2023年6月)に完了の見込み。
Microsoftは発表文で「この買収で、Microsoftのゲームビジネスの成長が加速し、メタバースの構成要素を獲得」するとし、「取引が完了すると、MicrosoftはTencentとソニーに次ぐ、売上高で世界第3位のゲーム企業になる」と語った。
「Call of Duty」や「World of Warcraft」、「Guitar Hero」などで知られるActivision Blizzardは現在、幹部による性的違法行為や嫌がらせの報告で論争の的になっており、2021年11月にはボビー・コティックCEOが一連の不祥事を隠ぺいしていたとの報道を受け、従業員がCEO辞任を求める請願書を送ったと報じられた。17日には数十人の幹部を解雇している。
Microsoftは、コティック氏は買収完了後もCEOに留まり、MicrosoftのXbox責任者、フィル・スペンサー氏直属になるとしている。
買収が完了すれば、MicrosoftはActivision Blizzardのゲームの多くをXbox Game Passに追加する予定だ。「Game Passはゲーム業界で最も魅力的で多様なゲームサービスの1つになる」。Xbox Game Passの加入者数は現在、2500万人だ。
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