ソフトバンクG、ArmのNVIDIAへの約4兆円売却を断念 再上場へ
ソフトバンクGはArmのNVIDIAへの売却断念を正式に発表した。この取引には英、米、EUが懸念を表明していた。ソフトバンクGはArmの再上場の計画も発表した。
ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)は2月8日、2020年9月に発表した英Armの米NVIDIAへの売却の契約を解消することで合意したと発表した。規制上の課題に鑑みた結果としている。
取引総額の約400億ドル中、契約時に受領した前受金の約12.5億ドルは返金の義務はなく、2022年3月期に利益として計上する。
この契約については、米連邦取引委員会(FTC)が2021年12月、半導体市場の競争を阻害するとして買収差し止めを求めてNVIDIAを提訴している。英国、EU、米国の規制当局からも申し立てがあった。
ソフトバンクGは、Armの2022年度中の再上場を準備していく。同社は発表文で「2016年のSBGによる買収以降、Armは研究開発への投資を増やし、製品の種類及び対象市場を拡大してきました。現在、ArmのテクノロジーはAI、IoT、クラウド、自動運転、メタバースなど急成長する市場シェアを拡大しており、Armの売上と利益は過去2年間で大きく伸び、将来の成長に向けた基盤となっています」と語った。
NVIDIAのジェンスン・ファンCEOは発表文で「Armは、コンピューティングにおける重要なダイナミクスの中心だ。われわれは1つの企業ではないが、緊密に提携していく。マサ(孫正義氏)による重要な投資により、Armはクライアントコンピューティングを超えて、スーパーコンピューティング、クラウド、AI、およびロボット工学にArm CPUの範囲を拡大することができた。Armは今後10年間で最も重要なCPUアーキテクチャになるだろう」と語った。
Armは同日、サイモン・シガースCEOの辞任も発表した。後任は、2017年からArm IP Products Groupのプレジデントを務めるレネ・ハース氏。同氏はNVIDIAでコンピューティング製品部門担当副社長を務めたこともある。
ソフトバンクGの孫正義会長兼CEOは発表文で「レネ(ハース氏)は、Armが再上場する準備を始め、成長を加速するのに最適なリーダーだ。サイモン(シガース氏)には過去30年間のArmへの貢献に感謝している」と語った。
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