NASAの宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ」から星の初画像とセルフィー届く
NASAはジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が初めて撮影した星の画像と“セルフィー”を公開した。星の画像はシステムの調整のために撮影されたものだ。調整には数カ月かかり、本格的な画像は今夏公開の予定。
米航空宇宙局(NASA)は2月11日(現地時間)、巨大宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope、以下「JWST」)」が宇宙で初めて撮影した星の写真(のモザイク)と、“セルフィー”を公開した。
画像はぼやけた白い斑点にしか見えないが、JWSTの本格稼働はまだ先で、この写真は望遠鏡を構成する18枚の六角形ミラーの位置合わせなどの調整のために撮影したものだ。「HD 84406」と呼ばれる、非常に明るく、周囲に他にあまり星のないおおくま座の近くにある星がターゲット。
白い斑点はすべて、18枚のプライマリミラーセグメントが捉えたHD 84406の光なのだ。大まかに言うと、プライマリミラーセグメントが集めた光をセカンダリミラーに反射させ、それを近赤外線カメラで測定して画像モザイクを生成する。このプロセスには約25時間かかったとNASAは説明した。
この写真ではばらばらに写っている白い斑点は、今後数カ月にわたって行うミラーの位置合わせにより、最終的には1つになる見込みだ。
NASAは、JWSTの“セルフィー”も公開した。こちらは一般人が見てもそれと分かる画像だ。
このセルフィーは星を撮影するための近赤外線カメラではなく、その内部にある特殊な瞳結像レンズで撮影したもの。このレンズは星の撮影ではなく、システムの位置調整のための使われるものだ。
そうした調整を今後数カ月かけて行い、最初の画像は夏ごろ配信する計画だ。
関連記事
- NASAの宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ」、目的地のラグランジュ点に無事到達
NASAが昨年クリスマスに打ち上げた「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」が目的地の軌道に無事到達した。地球から約161万Km離れたラグランジュ点L2でこれから3カ月かけて機材を調整する。 - NASA、巨大宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ」打ち上げ成功 最初の画像はうまくいけば半年後に
米航空宇宙局(NASA)はクリスマスにジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)を打ち上げた。1カ月後には地球から約161Km離れた目標地点に到達する見込み。最初の画像が送られてくるのは半年後になる。 - NASAの宇宙探査機が太陽コロナに到達 史上初
米航空宇宙局(NASA)は宇宙探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が太陽の上層大気であるコロナに到達したと発表した。NASAは「歴史上初めて、宇宙船が太陽に触れた」とコメントしており、コロナで粒子や磁場のサンプリングを行っているという。 - NASAの探査機、火星に着陸 地表のフルカラー画像公開 火星に自分が立った画像を生成するWebアプリも
NASAが、火星探査機「Perseverance」「Ingenuity」から送られてきた火星表面の高解像度なフルカラー画像を公開した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.