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エンガジェット、TechCrunch日本版の終了を惜しむ 海外メディアの運営って結構大変という話ヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(1/5 ページ)

エンガジェット日本版、TechCrunch Japanが5月1日で閉鎖すると運営元のBoundlessが発表した。海外媒体の日本版を維持する難しさをMacUserの元編集長である松尾氏が語る。

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 経歴だけは長いベテラン記者・編集者の松尾(マツ)と、幾つものテック系編集部を渡り歩いてきた山川(ヤマー)が、ネット用語、テクノロジー用語で知らないことをお互い聞きあったり調べたりしながら成長していくコーナー。交代で執筆します。

ヤマー EngadgetとTechCrunchの日本版終了のニュース、びっくりしました……。運営元のBoundless(旧Verizon Media Japan)が3月31日に更新終了、5月1日に閉鎖すると発表しました。


「エンガジェット日本版」

マツ テックメディア界に激震が走りましたね。

ヤマー 同業なので尚更なのもありますが、「え???」ですよ。

マツ 影響の大きさを考えると。われわれの知人・友人も執筆者に名を連ねてますし。

 ただ、驚きはなかったんですよ。正直なところ。

ヤマー なんと、予期してたんですか?

マツ 母体となる米国企業が右往左往していたので、どこかのタイミングで経営判断をするのではないかとは思っていました。

 海外メディアの日本版をやる以上、これは避けられないことで、しかも、その母体企業が揺れ動いている状態であればなおさらで。

ヤマー あーー、親会社が二転三転してましたね。もともとはAOLでしたけど、その後Verizonがメディア強化の一環で買収してましたね。

マツ そこまでは把握していたけど、さらに、Verizonから別のファンド会社に行ってたんですよね。そこはメディア以外にもたくさん事業を持っていて一部に過ぎず、これはもう仕方ないんだろうな、と。後から見れば、ですけど。

ヤマー 投資ファンドの米Apollo Global Managementですよね。2021年にVerizon Mediaからメディア事業を50億ドル(当時約5460億円)で買ってます。この中には、EngadgetやTechCrunchのほか、Autoblogなんかも入ってます。


Verizon Mediaが保有していた媒体

マツ はい。ApolloはYahooの商標も獲得して、それをまず日本のヤフーに売却。並行してメディアの整理を始めていたのでしょう。

ヤマー 親会社が変わって方針転換するというのは良くありますからね……。最近、ファンドなどの異業種がメディアを買うって事例、結構多いですよね。

マツ ですね。日本のメディア企業もそういう例がありますね。

ヤマー え、エイ出版の一部出版事業、ドリームインキュベータが買ってたんですか!

マツ そうです。

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