VTuber向け法務チーム、法律事務所が発足 イラストの著作権や中の人との契約トラブルなどに対処
モノリス法律事務所は、VTuber事務所や関連企業、個人VTuber向けに法務の専門チームを発足した。「VTuberは短期間で人気が爆発し、事後的に契約関係や権利関係を原因としたトラブルが発生しやすいビジネス」と指摘し、適切な弁護士のサポートが必要だと説明する。
モノリス法律事務所(東京都千代田区)はこのほど、バーチャルYouTuber(VTuber)事務所や関連企業、個人VTuberを対象とする法務の専門チームを発足した。「VTuberは短期間で人気が爆発し、契約関係や権利関係を原因としたトラブルが発生しやすいビジネス」として、VTuberらのサポートを手掛ける。
VTuber向け法務チームでは、イラストレーターや声優との契約、PR案件実施時、グッズ化、他社とのコラボなど、関連するあらゆる場面での契約書の作成業務や、VTuber関連のIT・知財法務、YouTubeやSNSアカウントの譲渡契約などの業務を請け負うという。
同事務所は「『まだ人気がないので、権利処理や契約書作成は後回しでいい』という発想は、危険」と指摘。VTuberビジネスを巡る法務では、関係各所との契約、著作権や薬機法などの法律、YouTube利用規約など、さまざまな領域の要素を含むため「適切な『予防』を行うことが重要」としている。
同事務所では、VTuber関連の法務サービスを2017年に開始。ミライアカリさんなど、約100人のVTuberをクライアントに持つという。VTuberの社会的認知は年々高まっていることから、担当弁護士を増やすなど、VTuberや関連事業者に向けた法務サービスの拡充を進めるとしている。
【修正履歴:2022年4月28日午後10時30分 一部内容を修正しました】
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