電力価格高騰で「採算性の担保が困難」――新電力「Natureスマート電気」終了へ 6月30日で供給停止
スマートリモコン「Nature Remo」などを手掛けるNatureは4月11日、電力小売サービス「Natureスマート電気」を終了すると発表した。
スマートリモコン「Nature Remo」などを手掛けるNatureは4月11日、電力小売サービス「Natureスマート電気」を終了すると発表した。6月30日をもって全ての電力供給を停止するとしており、ユーザーに対し、5月11日までに電力会社の切り替えを申し込むよう案内している。
切り替えの申し込みが必要になるのは、Natureスマート電気の全ユーザー。5月11日までにユーザー自身で他の電力会社に電力供給契約の切り替えを申請し、5月20日までに全ての手続きを完了する必要がある。同サービスに申し込みし、電力供給を開始していないユーザーについても、同様の作業が求められる。期限内に作業が完了しない場合は、6月1日から30日の間に、検針日の早いユーザーから順次電力供給の契約を解除する。
同社は終了の背景として、LNG不足やウクライナ情勢など、電力マーケット(JEPX)からの電力調達価格が高騰し、「現状の電気代のままサービスをお客様に提供するために、固定電源の調達や電力先物の活用などのリスクヘッジ策を検討して参りましたが根本的な解決には至らず、採算性の担保が困難となった」と説明。
今後の調達についても、「発電所の限界費用ベースで入札価格が決定されるJEPXにおいては、現在のような高い水準で電力価格が推移する見込みとなっており、今後も採算性を担保することが難しい」と予測していることから、サービス終了の判断に至ったという。
同社は今後もスマートリモコンの開発・販売を継続。IoTの技術基盤を活用したデマンドレスポンス(DR:需要調整の仕組み)、ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)、電気自動車(EV)などのエネルギーマネジメント事業に注力するとしている。
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