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格安電気「エルピオでんき」がサービス停止、4月末で供給打ち切り 約14万件の世帯に影響
電力小売事業や都市ガスの供給を手掛ける、エルピオは電力供給サービス「エルピオでんき」のサービスを停止すると発表した。4月30日を最後に、全エリアで全てのサービスを停止する。
電力小売事業や都市ガスの供給を手掛ける、エルピオ(千葉県市川市)は3月25日、電力供給サービス「エルピオでんき」のサービスを停止すると発表した。4月30日を最後に、全エリアで全てのサービスを停止する。エネルギーデータ事業のENECHANGE(東京都千代田区)によると、電力会社の契約変更が必要な契約世帯は約14万件にのぼるという。
サービス停止の理由には、ロシアのウクライナ侵攻や福島県沖地震などの影響があるという。20年12月以降、天然ガスなど発電燃料不足による電力卸売市場の価格高騰が続く中で、ロシアのウクライナ侵攻によりヨーロッパの天然ガス市場が暴騰。さらに高値となり、電源調達が厳しくなったとしている。
これを受けて、同社は3月18日にサービスの新規申し込みを停止。発電所や電源保有事業者と調整を進めていたが、16日に発生した福島県沖地震後も影響し、電力卸売市場が21年に比べ2〜5倍の値段をつけていたため、格安電気の料金を維持していくことが困難と判断。サービスの停止を決めたという。
エルピオでんきは今後、電気事業者サイサン(東京都千代田区)が提供する「エネワンでんき」の代理店になる。4月30日までに切り替え手続きをしなければ電気が止まってしまうため、停止日までに電力事業者の切り替えをするよう促している。
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