ビジネス書を“10分で読める”アプリ「flier」提供元が6億円調達 法人向けで成長中
ビジネス書などを要約して配信するサービスを提供するフライヤーが、6億円の資金を調達した。資金は2019年に始めた法人向けサービスの拡大に充てる。
ビジネス書などを要約し、1冊10分程度で読めるようまとめた文章を配信するサービス「flier」を提供するフライヤー(東京都千代田区)は5月27日、ベンチャーキャピタルのXTech Ventures(東京都中央区)などから約6億円の資金を調達したと発表した。資金は2019年に始めた法人向けサービスの拡大に充てる。
flierは、市販のビジネス書を著者や出版社の許可を得た上で要約し、Webやスマートフォンアプリ経由で配信するサービス。要約した本を15分程度のオーディオブックにして配信する機能も備える。
個人向けには、月に最大20冊分を読める無料プラン、最大20冊分と有料プラン限定の本を5冊分を読めるシルバープラン(550円、価格は全て税込)、全ての本を無制限に読めるゴールドプラン(2200円)を提供。利用者数は2022年4月時点で約93万人という。
法人版は福利厚生や従業員の教育・学習用サービスとして提供。社員は個人向けと同じように要約した本を読める。管理者向けに、管理画面を通して人気の本を確認したり、社員に本をおすすめしたりできる機能も提供する。利用料は月額5万5000円からで、従業員数によって変動する。
シェアオフィス事業者などに向け、あらかじめ登録済みのWi-Fiスポットでのみサービスを利用可能にする契約形態でも提供している。累計導入社数はサービス開始から2022年5月までで660社以上。これまでにAGCやアットホーム、ダイドードリンコなどに提供したという。
今回調達した資金は、法人が社内研修で使いやすくする機能や、「Slack」などのコミュニケーションツールと連携する機能の開発に充てる。ユーザーのサポート体制も拡充する方針。
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