迷いやすい登山道、登山アプリのデータ解析で明らかに 登山道整備に一役
登山地図アプリ「YAMAP」を運営するヤマップは7日、21年に発表した「道迷いしやすい登山道」の一部に標識が設置され、迷う人がいなくなったと発表した。
登山地図アプリ「YAMAP」を運営するヤマップ(福岡県福岡市)は6月7日、21年に発表した「道迷いしやすい登山道」の一部に標識が設置され、迷う人がいなくなったと発表した。アプリ利用者のデータを分析して分かった。
ヤマップはアプリ内で利用者から寄せられた「迷いやすい」タグ付きの投稿と登山者の軌跡(移動)データを分析し、国内の登山道でとくに迷いやすい地点5カ所を「道迷いしやすい登山道」として21年8月に発表した。同社の働きかけもあり、このうち神奈川県内にある2カ所に標識が設置された。
1カ所は神奈川県と山梨県との県境に位置する西丹沢の大界木山〜浦安峠で、21年9月に標識が1本設置された。その後、YAMAPの軌跡データを分析したところ、道を間違える人はゼロになったという。
もう1カ所は神奈川県の丹沢山、櫟山〜栗ノ木洞に位置する登山道で、21年の12月に案内標識が設置された。こちらも設置後は道を間違える人が減少したことをYAMAPの軌跡データによって確認している。
ヤマップは「登山者のビッグデータを分析した上で、 道迷いリスクの高い場所をピンポイントで抽出すれば、情報を自治体などと共有して無駄のない登山道整備につなげられる」として今後も取り組みを続ける考え。7月には「道迷いしやすい登山道」の22年版を発表するという。
YAMAPは携帯電話の電波が届かない山の中でもGPSを使って現在地や登山ルートが分かる登山アプリ。地図上に現地の情報を書き込み、他の登山者と共有できる「フィールドメモ」などの機能がある。ダウンロード数は累計310万(22年5月時点)。
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この記事は、地図と位置情報のニュースを中心とした情報サイト「GeoNews」から転載、加筆したものです。URLはこちら。
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