「WWDC22」から見えたAppleの狙い “ゲームとクルマ”の攻略は実現するか(4/4 ページ)
アップルの開発者会議「WWDC22」が開催中だ。WWDCとしては3年ぶりに「リアルでの開催」とオンライン開催をセットにしたイベントになったが、色々と示唆にも富んでいた。基調講演と、その後に得られた情報を加味し、今回のアップルの発表を分析してみよう。
「次世代CarPlay」は自動車メーカーをどう変えるのか
3つ目の気になる点は「次世代CarPlay」だ。
出てくるのは来年以降だが、自動車とスマホの関係に大きな変化をもたらす可能性は高い。
今のCarPlayは、簡単に言えば「専用ナビやカーオーディオを、スマホ連携にして操作性を良くするもの」として使われている。GoogleやAmazonの競合規格も含め、対抗馬も複数ある。
確かにアップルの主張通り、日本よりも米国で頻繁に見かける機能ではある。「自動車購入検討者の79%が、CarPlay搭載前提で自動車を選んでいる」というアップルの示した統計が正しいかは別として、本当にこの数年で当たり前の存在になった印象は強い。
一方で「次世代CarPlay」では、「音楽再生ができる」「マップでナビができる」といったレベルを超え、「自動車の中の情報をiPhoneと連携させ、コントロールパネルのUI自体をカスタマイズする」という世界を目指している。
自動車メーカーは「スマホメーカーに手綱を握られる」ことを嫌がってきた。今でも素直に認めているわけでもないだろう。
だが、「次世代」ではナビや音楽再生を超え、自動車の走行情報やカーエアコンを扱うものになり、自動車内のUIのコントローラーにもなっていく。
ここで自動車メーカーは、独自路線でなく協調路線を歩むのが基本になるのか、それとも、独自路線を進むのか。日本メーカーで言えば、ホンダや日産は「アップルとも手を組む」形になるようだが、では、トヨタはどうなるのだろう。
また、ホンダなどが対応するとして、どこまで「スマホを車に入れていく」ことをすすめるのか。その辺、自動車という製品の「連携」の未来を考える上で、非常に大きな分岐点となるだろう。
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