Amazon、完全自律倉庫ロボット「プロテウス」を披露
Amazonは、フルフィルメントセンターで使う新たなロボット「Proteus」と「Cardinal」を発表した。Proteusは完全自律型で荷物を運搬する。Cardinalは荷物の山から目的の荷物を選別し、カートに移す。
米Amazonは6月22日(現地時間)、米ロボットメーカーKiva Systems買収10周年を記念する公式ブログで、同社初の完全自律型倉庫ロボット「Proteus」(ギリシャ神話の海神「プロテウス」由来)を発表した。
Proteusは、同社が開発したナビ技術を使ってフルフィルメントセンター内を自律的に移動し、同社の荷車「GoCart」に搭載された荷物を運搬する。決められたルートを往復するのではなく、例えば従業員が進行方向にいれば避けて通る。移動中自分の前方に発信する緑色の光線を障害物が遮ると感知するようだ。公開された動画(記事末に転載)では、バッテリーが減ってくると自分で充電ポートに接続する様子も紹介されている。
同社はまた、新しいロボットアーム「Cardinal」(枢機卿由来か鳥の名前由来か不明)も披露した。こちらは、AIとコンピュータビジョンで荷物の山から目的の荷物を選別し、持ち上げてラベルを読んでGoCartに積む作業を担う。最大約23キロの荷物を持ち上げられる。2023年中に一部のセンターで展開する計画だ。
さらに、「Amazon Robotics Identification」(AR ID)も発表。これは現在従業員が手動で行っている荷物のラベルのバーコードスキャンを自動で行うロボットだ。
現在は従業員がカートから棚に荷物を移す際にハンドスキャナでバーコードをスキャンしているが、棚の横にあるAR IDシステムに荷物のバーコードを見せながら棚に移すだけでスキャンが完了する。これで荷物を両手で持てるようになり、怪我のリスクが減るとしている。
米メディアReCodeは17日、独自に入手したというAmazonの内部調査資料には、2024年までに米国のフルフィルメントセンターの雇用が不足し、サービス品質が危険になると書かれていたと報じた。
関連記事
- Amazon、今年のプライムデーは7月12日午前0時から48時間
Amazon.com毎年恒例のプライム会員限定セール「プライムデー」は7月12、13日の48時間開催。日本では12日の午前0時からのスタートだ。 - AWS、ロボットフリート管理サービス「AWS IoT RoboRunner」提供開始
Amazon.com傘下のAWSは、ロボット管理サービス「AWS IoT RoboRunner」を発表した。多様なロボットを導入している物流倉庫や工場向けに、それらのロボットを単一システムビューで管理するインフラを提供する。 - Amazonが家庭用ロボット発表 部屋の中を動き回って見守り、潜望鏡カメラも 約999ドル
米Amazon.comが家庭用ロボット「Astro」を発表。音声アシスタントの「Alexa」を搭載しており、動き回るスマートディスプレイとして使うことができる。外出時には自宅の様子を自由に確認できる他、ホームセキュリティ機能を別途組み合わせることで、不在時の自動パトロールも設定できる。 - Amazon、配達ロボット「Scout」の路上テストを開始
Amazonが、電動自走配達ロボット「Scout」でのテストを米国の1地域で開始する。まずは6台で、人が付き添って配達する。 - Amazon、人間の5倍速で梱包するロボットを配送センターに導入中──Reuters報道
Amazonが人間の4〜5倍の速さで注文品を梱包する機械を配送センターに導入中だとReutersが報じた。Amazonは、これは人員削減のためではなく、人間にはさらに高度な仕事に従事してもらうためだと説明した。 - Amazonが日本の物流センターに初導入した“秘密兵器ロボ”「Amazon Robotics」を見てきた(動画あり)
米国と欧州で先行導入されていたロボットによる在庫管理システム「Amazon Robotics」が、国内で初めて神奈川県川崎市の「アマゾン川崎FC」に導入された。 - Amazon、ロボットメーカーのKiva Systemsを7億7500万ドルで買収
Amazonが、物流センター向け自律運搬ロボットのKiva Systemsを買収する(動画あり)。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.