Meta、テスト中のデジタルウォレット「Novi」を終了へ
Metaは、2020年に立ち上げたデジタルウォレット「Novi」を終了する。パイロットプログラム参加者に対し、9月1日までにアカウントの残高を引き出すよう告知した。同社の暗号通貨「Diem」は今年1月に終了している。
米Metaは7月1日(現地時間)、2020年に立ち上げたデジタルウォレット「Novi」のプロジェクトを9月1日に終了すると発表した。
同社は昨年10月から、米Coinbaseとの提携でNoviのパイロットプログラムを米国とグアテマラで提供している。Metaはプログラムの参加者に対し、9月1日までにNoviアカウントの残高を引き出すよう告知した。デジタル資金は現金として引き出すことも可能だ。
Metaは当初、暗号通貨USDPを送受信するウォレットとしてNoviを立ち上げた。同社は、将来的にはNoviで同社主導の協会Diem Associationによる暗号通貨「Diem」(旧「Libra」)も扱えるようにする計画だった。
だが、Diemは規制当局からの監視や、プロジェクトリーダーのデビッド・マーカス氏の退社などで難航し、Diem Associationは1月末にその資産を米Silvergate Capitalに売却し、解散した。
Noviは終了するが、Metaはデジタルウォレットや暗号通貨から撤退するわけではない。マーク・ザッカーバーグCEOは先月、プラットフォーム上での支払い機能「Facebook Pay」を「Meta Pay」に改称し、将来的には「メタバースのウォレット」にしていくと発表した。
同氏はMeta Payを、メタバース上で所有する「仮想の衣服、アート、動画、音楽、バーチャルイベントなど、作成したり購入したりしたあらゆる種類のデジタルアイテム」の所有権を示すウォレットにすると語った。
関連記事
- Meta(旧Facebook)が構想した暗号資産「Diem」終了 資産は2億で売却、協会は解散へ
Mtaが2019年に発表した暗号通貨「Libra」(後の「Diem」)が終了する。Diem Associationは関連知財をSilvergate Capitalに売却し、解散プロセスに入る。「規制当局との対話で推進できないことが明らかになった」ため。 - Meta(旧Facebook)、WhatsAppで「Novi」での暗号資産送金のテスト開始
Meta(旧Facebook)傘下のWhatsAppが米国で暗号資産送金のテストを開始した。Metaのデジタルウォレット「Novi」とステーブルコイン「Pax Dollars」を使う。 - Facebookメッセンジャーと暗号資産Noviのトップを務めたマーカス氏、Metaを年内に退社
Meta(旧Facebook)傘下の暗号資産企業Noviのトップ、デビッド・マーカス氏が年内にMetaを退社する。Facebookメッセンジャーの責任者から2018年にNoviの前身の責任者に任命された。Noviの事業は当局からの懸念などで未だサービス提供に至っていない。 - Facebook発表の暗号通貨「Libra」、プロジェクトと管理組織の名称を「Diem」に改称
Facebookが2019年6月に発表した暗号通貨「Libra」とそれを管理する組織Libra協会の名称が、「Diem」と「Diem Association」に改称された。(Facebookからの)「組織の独立性を強調する」ためとしている。 - Facebook、暗号通貨「Libra」とデジタルウォレット「Calibra」を2020年立ち上げ
Facebookがオリジナルのブロックチェーンベースの暗号通貨「Libra」とウォレット「Calibra」を2020年に提供開始すると発表した。VisaやMasterCardなど28社がサポートする。専用アプリだけでなく、Facebook MessengerやWhatsAppでも使えるようになる。 - Facebook、ブロックチェーンに乗り出す メッセンジャー責任者だったマーカス氏が立ち上げ
Facebook Messengerの責任者、デビッド・マーカス氏が社内でブロックチェーン関連事業を立ち上げる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.