「冷房」と「除湿」、効率が良いのは〇:節電テック(2/2 ページ)
今回のトピックは「冷房と除湿」です。「ドライ(除湿)は省エネ」といわれていた時期もありましたが、常識は時代と共に変わるもの。今はどうなのでしょう。
エアコンの除湿機能には、大きく分けて「弱冷房除湿」と「再熱除湿」という2つの方式があります。
弱冷房除湿は空気を冷やして水分を取り除く昔ながらの方式。空気を少し冷やしつつ消費電力は抑えられるのが特徴で「ドライは省エネ」といわれる根拠にもなりました。猛暑日などあまりなかった時代には除湿の弱冷房でも十分だったのかもしれません。
一方の再熱除湿は、その名の通り除湿で冷えた空気を再び暖めてから室内に戻す方式です。梅雨の時期などに部屋を冷やし過ぎないように作られました。ただし冷やした空気をわざわざ暖め直すのですから省エネではありません。
2009年に東京電力が公開した検証データによると、電気代は高い順に、再熱除湿>冷房>弱冷房除湿でした。当時のエアコン、特に上位機種は軒並み再熱除湿を搭載していたのですが「ドライは省エネではない」ためか、近年の新製品ではあまり見られなくなっています。
とはいえ再熱除湿のエアコンもまだ稼働しているはずなので、現在は「ドライは省エネと一概にはいえない」状況です。自宅のエアコンの除湿方式を知りたい場合は説明書などで確認できます。
では、今年のように暑くて節電もしたい夏は、冷房と除湿のどちらを使うべきでしょうか。
富士通ゼネラルは8月5日に公開したブログ(ゼネログ)の中で「弱冷房除湿は消費電力を抑えられますが、冷やす力が弱く除湿量も少ないため、蒸し暑い夏の日にはかえって効率が悪くなってしまいます」「冷房は室温を最も下げ、除湿の効果もあることから、蒸し暑い夏の日には最も効率的といえるでしょう」としています。
蒸し暑い日中は冷房一択。除湿は夜間や梅雨の時期に使うものと考えて良さそうです。
連載:節電テック
節電に関するテクノロジーとテクニックをデータを添えて紹介する連載。クイズ形式になったり、内容がアナログになったりもします。
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