「GoogleWalkout」で退社したウィテカー氏、Signalのプレジデントに」
Googleの元AI関連幹部のメレディス・ウィテカー氏がE2EEメッセージングアプリ「Signal」のプレジデントに就任する。同氏はAI誤用とハラスメントに抗議し、2019年にGoogleを退社した。Signalは非営利で、有志やユーザーの寄付で成り立っている。
E2EE(エンドツーエンドの暗号化)メッセージングアプリ「Signal」を提供する米非営利団体Signal Messengerは9月6日(現地時間)、AI倫理機関AI Now Instituteのディレクター、メレディス・ウィテカー氏を、新たに設けた役職「プレジデント」に迎えたと発表した。
ウィテカー氏は米Googleで長年AI関連の幹部を務めていたが、職場でのハラスメントやAIの軍事採用に講義する運動「GoogleWalkout」の主催者の1人として活動し、翌年同社を退社した。
同氏は2020年からSignalの取締役を務めている。また、2021年には米連邦取引委員会(FTC)のAI関連シニア・アドバイザーに就任した。
2014年立ち上げのSignalは、完全無料で広告も表示せず、E2EEのメッセージングを可能にするサービス。有志やユーザーからの寄付で成り立っている。利用者数は米TechCrunchによると2021年時点で約4000万人。
ウィテカー氏は発表文で「この役割の下、CEOや経営陣と協力し、特にSignalの戦略を導き、財務の持続性を確保し、Signalの公的コミュニケーションを強化、拡大し、アプリと組織を強化するために必要なことなら何でも行う」と語った。「ユーザーからの寄付にフォーカスした持続可能性モデルを追求していく」ともツイートした。
Signalでは1月にCEOが退任しており、現在はWhatsAppの共同創業者でSignalの取締役会長のブライアン・アクトン氏が暫定CEOを務めている。
関連記事
- E2EEメッセージのSignal、Twilioへのフィッシング攻撃でユーザー約1900人に影響
E2EEメッセージングアプリ「Signal」がTwilioへのフィッシング攻撃の影響を受けたと発表した。Twilioの番号認証サービスを利用しているため。約1900人のユーザーの電話番号とSMS確認コードが攻撃者の手に渡ったが、全員に通知済みだ。 - E2EEメッセージングアプリSignalのCEOが退任 暫定CEOにブライアン・アクトン氏
E2EEメッセージングアプリ「Signal」を提供するSignal Messengerのモクシー・マーリンスパイクCEOが退任すると発表した。現在後任を探している。暫定CEOはWhatsAppの共同創業者でSignalの会長を務めるブライアン・アクトン氏。 - Googleでの抗議デモ主催者がまた退社 ニューヨーク大のAI倫理機関ディレクター専任に
Googleの職場でのハラスメントに対する抗議やAI倫理についての運動で活躍した従業員、メレディス・ウィテカー氏が同社を去り、在職中に立ち上げたニューヨーク大学のAI倫理機関AI Now Instituteのディレクター専任になる。 - #GoogleWalkout が、Googleにもたらすもの
Googleの従業員の約2割に当たる2万人が11月1日、セクハラや不正行為への不適切な対応や不透明性に抗議する#GoogleWalkoutデモを実施。ピチャイCEOは改善を検討すると約束しました。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.