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AIの契約レビューって違法なの? AI・契約レビューテクノロジー協会設立、適法性を発信(2/2 ページ)

AIを使った契約レビューサービスを提供する主要4社が共同で、「AI・契約レビューテクノロジー協会」を設立した。AIによる契約レビューが弁護士法72条に違反するのではないかという懸念に対し、現状の各社サービスが適法であることを社会に発信していく。

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グレーゾーン解消制度の活用、法改正に向けた働きかけ

 ではなぜ6月6日のグレーゾーン解消制度で、問い合わせが違法とされる可能性があると回答されたのか。

 松尾氏はこの問い合わせは「弁護士のようなレビューをすると、弁護士法の問題になりますか?」という内容だったと評す。この問い合わせならば、当然問題だという回答が出てくる。逆に現在のAI契約レビューは弁護士が行うレビューには至っておらず、だから問題ではないというのが協会の考えだ。

 「将来的には弁護士そっくりのレビューができるようになるのもあり得る未来かもしれない。現在は、弁護士と同じ、弁護士そっくりの契約レビューではない」(松尾氏)

 協会では72条に関しての発信を中心とし、さらにAI契約レビューの利点を社会に発信していくことをミッションとする。具体的には、シンポジウムの開催やリーガルテックと法に関する研究、各ステークホルダーとの対話を通じ、72条の理解のための活動を行う。

 そもそもグレーゾーン解消制度は、法的に不明瞭な事業について事前に回答を得られることで安心して事業をスタートできるためのものだ。協会が、適切な内容でグレーゾーン解消制度に問い合わせることで、AI契約レビューの不安点を解消できるのではないか?

 松尾氏は「どうするかは今後検討していく。(グレーゾーン解消制度の利用を)可能性として排除はしないが、活動の中で検討したい」とした。

 また、今後AI技術が進歩する中では72条がAI契約レビューの足かせになる可能性もある。協会を通じて、法改正の働きかけを行う可能性はあるのか。松尾氏は「現時点で改正がただちに必要だとは思っていない。とはいえ、解釈の明確化や社会の理解を求めることは重要。その後も見据えながら、どう対応するかは考えていく」とした。

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