Microsoftのノーコード開発ツール「Power Automate」に文章でフローを生成できる新機能
米Microsoftが、ローコード/ノーコード開発ツールの「Power Automate」に、AIによって自然言語による指示を認識し、フローを自動生成する機能を搭載した。自然言語で実現したい内容を書き込むと、それに合致するであろうフロー定義が生成されるという。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「[速報]マイクロソフト、Power Automateに自然言語の指示でフローを生成する新機能。Ignite 2022」(2022年10月13日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Microsoftは現在開催中のイベント「Microsoft Ignite 2022」で、サービス連携機能やRPA機能などを備えたローコード/ノーコード開発ツールの「Power Automate」に、AIによって自然言語による指示を認識し、フローを自動生成する機能を搭載したことを発表しました。
Power Automateは、さまざまなコネクタにより複数のサービスやアプリケーションをワークフローのように接続する機能と、マウスやキーボードなどの操作をソフトウェアで自動化するRPAの機能などを搭載したサービス連携サービスです。
ユーザーはPower Automate上でフローチャートを描くようにして、さまざまなツールを自動的に連携させるフローを設定することができます。
そして今回発表されたAIによる自然言語の認識機能により、自然言語で実現したい内容を書き込むと、それに合致するであろうフロー定義が生成されるというものです。
Microsoftは2021年5月に、自然言語をプログラミング言語にAIで変換する機能を「Power Apps」に搭載することを発表しています。
今回Power Automateも自然言語の対応が発表されたわけで、マイクロソフトはAIを用いて積極的にローコード/ノーコードツールの自然言語対応を進めていくことが浮き彫りになったといえます。
GPT-3を活用して自然言語対応を進めるマイクロソフト
PowerAppsとPower Automateに使われている自然言語処理には米OpenAIが開発した「GPT-3」が採用されていることが分かっています。このGPT-3は、コメントを書くとさまざまなプログラミング言語のコードを生成してくれる「GitHub Copilot」に利用されている技術でもあります。
GPT-3はAI研究企業であるOpenAIが開発した大規模自然言語処理モデルですが、2020年9月にマイクロソフトが独占ライセンスを取得しています。
現在のところマイクロソフトはこの独占ライセンスを持つGPT-3を積極的に活用してAIによる自然言語対応を進めることで、製品の差別化を図っているように見えます。
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