正社員とほぼ同じ待遇で“学生エンジニア”を募集 自動運転ベンチャーで 「突き抜けた能力の学生を支援」
自動運転ベンチャーのTURINGは、学生エンジニアを募集する採用制度「ネクストコア制度」を新設すると発表した。同制度で採用された社員は、正社員と同程度の待遇・権限でAI自動運転・車両開発に取り組むことが可能という。
自動運転ベンチャーのTURING(千葉県柏市)は10月25日、学生エンジニアの採用制度「ネクストコア制度」を新設すると発表した。同制度で採用された社員は、正社員と同程度の待遇・権限でAI自動運転・車両開発に取り組むことが可能という。休学からの復学支援制度なども備える。
ネクストコア制度で採用した社員は無期雇用となり、本人が希望するタイミングで復学することが可能という。労働日数は週3〜5日から選択できる。大学のプログラムに参加するための就業日数調整制度や、復学する際の長期休暇制度なども備える。給与や賞与、退職金、昇給昇進、決済権限などは正社員と同じという。
すでに同制度の試験運用を行っており、大学・高専から複数のエンジニアが在籍しているという。採用例として、「東京大学工学部4年 男子学生 4月入社 週5回勤務 担当:AI機械学習領域」や「木更津工業高等専門学校2年 男子学生 10月入社 週4回勤務 担当:ソフトウェア開発領域」などを挙げている。
同社はこれまでもインターンで学生の雇用を行ってきた。インターン生の中には、個人開発やオープンソースのソフトウェア開発、IPAが「突出したIT人材の発掘と育成」を目的に実施している未踏事業などで経験を積んできた学生もおり、彼らは社内でも活躍してきたという。ネクストコア制度はそんな“飛びぬけた能力・経験”を持つ学生を対象に新設した制度であるとしている。
同社は「将来的な活躍を妨げずに学生・会社双方にメリットのある制度を新設し、意欲ある突き抜けた能力を持つ学生の将来を支援することを決めた」と制度新設の経緯を説明。続けて「学生期間を活用して実践的な開発経験を積むことにより、将来的なキャリア選択と形成をより多様なものにできる」と、学生側のメリットについて述べた。
同社の共同創業者である青木俊介CTOは「米国と比べて日本には“平均を押し上げる施策”は数多くあるが“上(天才)を伸ばす施策”がほとんど無いと感じている」とし、「当社は令和の自動車メーカーを目指すからこそ、こういった天才が集ってきてくれていると感じており、彼らの可能性を存分に引き出したいと思う」と考えを述べた。
ネクストコア制度は11月以降随時応募を受け付ける。27日時点で、終了日は設けていない。
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