AIイラスト生成「mimic」復活 β版2.0公開 利用にはTwitterアカウントの事前審査あり
不正利用対策が不十分との指摘を受け、サービスを一時停止したAIイラストメーカー「mimic」について提供元のラディウス・ファイブは、mimicβ版2.0を公開したと発表した。サービス内容はそのままに、不正利用対策として利用できるユーザーに制限をかけている。
不正利用対策が不十分との指摘を受け、サービスを一時停止したAIイラストメーカー「mimic」について提供元のラディウス・ファイブ(東京都新宿区)は11月4日、mimicβ版2.0を公開したと発表した。描き手の個性を反映したイラストメーカーを自動作成できるサービス内容はそのままに、不正利用対策として利用できるユーザーに制限をかけている。
mimicは、イラスト制作の参考資料やSNS/ファンコミュニティーなどへの用途を想定したイラスト生成サービス。同じイラストレーターが描いた30枚以上のイラストを学習させることで、描き手の個性を学習したイラストメーカーを作成できる。8月にβ版を公開したが、不正利用対策などが不十分として一時提供を停止していた。
β版2.0ではイラストメーカーの作成は2回まで可能で、イラストメーカーが作成したイラストを30枚まで閲覧・ダウンロードできる。利用希望者のTwitterアカウントを同社が事前審査するクローズド形式で提供する。
審査は「mimicアカウント審査ガイドライン」に基づいて実施。“自分でイラストを描いている”と同社が判断したアカウントにのみ機能を提供する。審査は申請順に行っており、4日時点で申請者全体の1割強まで完了済みという。10月以降に申請していた場合、数週間から最大2カ月程度の時間がかかる可能性がある。4日時点で再審査は受け付けていない。
β版2.0で作成したイラストと学習に利用した顔イラストは、大きな透かし入りでmimicのサイト上で自動的に公開される。非公開にはできず、作成後48時間は削除できない。イラスト公開ページには作成者のTwitterアカウントへのリンクと、利用規約違反を報告できる専用フォームが設置される。
mimicで作成したイラストの権利は全てクリエイター(学習に使ったイラストの権利者)に帰属し、イラストメーカーで作成したイラストは自由に利用可能という。アップロードしたイラストに権利侵害があった場合、元の権利保持者に権利が帰属する。mimicサイト上にイラストを公開する際には、利用NGや商用利用可など利用範囲も設定できる。
今後は有料プランなどを実装する予定で、複数のイラストメーカーを作成できる機能や、イラストメーカーが作成したイラストをmimic上で販売できる機能を検討中という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- イラストレーターの個性を学んで絵を“無限生成”するAIサービス 15枚のイラストから学習
クリエイティブ関連のAIサービスを手掛けるラディウス・ファイブが、AIイラストメーカー「mimic」(ミミック)β版の提供を開始した。同じイラストレーターが描いた15枚程度のイラストをもとに、絵の個性を反映したイラストを無限に生成できるとうたう。 - 大ウケした「Midjourney」と炎上した「mimic」の大きな違い “イラスト生成AI”はどこに向かう?
8月29日に登場した「mimic」がSNS上で議論を巻き起こした。画像生成AIは「Midjourney」や「Stable Diffusion」などに一躍注目が集まっているが、こうした各種画像生成AIとmimicとの違いは何か。 - 絵師の“AI学習禁止宣言”に意味はあるのか? AIに詳しい弁護士に聞いてみた
AIイラストメーカー「mimic」の出現以降、Twitter上では自分の絵について“AI学習禁止宣言”をする人たちが現れている。このような宣言をすることで、AI学習への利用を禁止できるのか? AI領域の法務に詳しい柿沼太一弁護士に話を聞いた。 - 今、最も話題の画像生成AIサービス 1位は?
この数カ月で急速に注目を集め出した画像生成AIサービス。どの画像生成AIサービスがメディアに取り上げられているか。 - 「イラストやデザインの仕事は退屈」──Stable Diffusion開発元の代表インタビュー記事が話題
「イラストやデザインの仕事は退屈」──画像生成AI「Stable Diffusion」の開発元でAIスタートアップ企業である英Stability AIのエマド・モスタークCEOのインタビュー記事がTwitter上で話題になっている。