動画も音楽もゲームも 広がるAIエンターテインメントの可能性:清水亮の「世界を変えるAI」(2/5 ページ)
Stable Deffusionのオープンソース公開以後、画像生成にとどまらず、AIを使ったさまざまなユースケースが登場している。動画制作や音楽制作のみならず、ゲームや新しいタイプの遊びなどへの発展も。
作画AIによるゲーム「AIアートインポスター」
Craftopiaなど、個性的な作品で知られるインディーゲーム製作会社「ポケットペア」が開発した「AIアートインポスター」は、AIアートを使って「裏切り者(インポスター)」を見つけるゲームである(記事参照)。
Stable Diffusion公開による作画AIの特性を見事に生かした秀逸なゲームデザインで、早くも人気コンテンツとなっている。アーリーアクセスながらSteamのストアでも上位につける人気ぶりだ。
ゲームの進め方は、大ヒットした人狼ゲーム「Among Us」に似ている。まず4人のプレイヤーのうち一人がランダムにインポスターに選ばれる。インポスターは画題を知らされていないが、他の3人は画題を知っている。インポスターにバレないように、しかも他のプレイヤーにはきちんと伝わるように、「秘密のお題」に関連した言葉を入力すると、AIによって作画され、他のプレイヤーに表示される。
全員が二回作画した時点で、インポスターは誰だと思うか投票が行われ、インポスターを当てることができればチームの勝ち、外れたらインポスターの勝ちとなる。単純だが奥深いルールだ。
あまりにも人気のため、スマートフォン版はPC版からの招待がないと現状は遊ぶことができないように規制されている。しかしそれだけハマるゲームということでもある。
PCを持っているユーザーが友達に声をかけ、音声チャットなどでつなげながら遊ぶとかなり盛り上がる。
こうした作品はまさにAI時代へ先鞭をつけるものであり、今後もゲームの重要なギミックにAIが活用されていく未来は普通にありそうだ。
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