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機能表よりも世界観のほうが大切だ マネーフォワード クラウド会計 vs. freee会計(後編):クラウド会計SaaS対決(5/5 ページ)
クラウド会計という分野では必ず比較されるMFクラウドとfreeeであるが、「会計ソフト」という言葉で一括りにすることができないほど、思想や世界観は異なっている。本稿では両者の機能比較に加えて、その背景にある思想やターゲットなどをひも解いていく。
機能表よりも世界観のほうが大切だ
ここまで、クラウド会計のMFクラウドとfreeeの特徴を掘り下げてきたが、自社にとって最適なものがどちらか判断する際の参考になっただろうか。この連載は価格表や機能比較表などは一切持ち出さないかわりに、それぞれのSaaSの機能や思想を「業務設計士」として経験を踏まえて解説していく企画である。もし気になったものがあれば、ぜひ資料請求をするなり、問い合わせをするなどして詳細な検討を進めてほしい。
機能や価格は新しいツールを導入する際に重要ではあるが、SaaSは導入後もずっとアップデートされ続ける。そのSaaSがどの方向に進化していくのか、実現したい世界観に共感できるか、といったことの方が遥かに重要であると私は感じている。
完璧なSaaSなど存在しない。自社の状況や組織体制、人員などを踏まえて、最も相性が良さそうなものを選ぶのがSaaS選定の鉄則だ。日本においては労働人口が年々減少していくことは確実であり、デジタル化による生産性の向上なくしては既存のビジネスを維持することすら困難な未来がもうすぐそこまできている。業務効率化のためにはSaaSの活用が欠かせないからこそ、より深く各SaaSを理解し、かつ、自社の業務も再度整理をすることで、スムーズな導入につなげることが重要だ。
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