バルミューダの流れをくむ「雑貨家電」という新潮流 〜誕生の背景と課題:知らないと損!?業界最前線(2/6 ページ)
近年、デザイン性が高く、雑貨店で流通する「雑貨系家電」が注目を集めている。小さなメーカーやほぼ知られていないブランドの製品が、駅ナカやイオンモールなどの雑貨店で販売され、人気を得ているのだ。小さな会社やブランドが家電を企画〜販売するようになった背景や人気を得ていった経緯、今後の課題を紹介する。
デザイン家電は、海外製から雑貨系へ
近年、デザイン性が高く、雑貨店流通を重視する家電ブランドが複数登場し、注目を集めている。その代表といえるのが、2010年代中頃に女子会やホームパーティブームを巻き起こしたイデアインターナショナル(当時、現BRUNO)の「BRUNO コンパクトホットプレート」(実勢価格1万450円)だ。普段、家電量販店には行かない若い女性層をターゲットに製品の企画・開発が行なわれ、累計販売台数250万台(21年7月末時点)の大ヒットを実現している。
この「雑貨系家電」が人気を得た背景には、Francfrancなどのインテリア系雑貨店による家電販売の開始がある。これらの店舗ではデザイン性を重視した製品を幅広く取り扱っており、家具から食器などのキッチン雑貨、そしてインテリア・ファッション雑貨などと一緒にデザイン性の高い家電が並んでいた。
しかし当初、店頭に並んでいた家電は、国産メーカー製はなく、例えばデロンギの電気ケトルや、エラクロトロラックスのスティック掃除機といったデザイン性が非常に高い欧州のメーカーの製品だった。
ただしそれらの多くは、海外市場向けに開発されているため、例えば電気ケトルは1リットル以上の大型タイプしかなかったり、ハンドブレンダーは老舗ブランドの人気製品だが3万円以上してしまう。つまり、店舗側がメインターゲットとしている若い女性にはサイズが大きすぎたり、高価でオーバースペックだったりすることが多かった。そこへ日本の若い女性を見据えて開発された、1万円以下から購入できる雑貨系家電ブランドの製品が登場して置き換わっていったというわけだ。
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