連載
バルミューダの流れをくむ「雑貨家電」という新潮流 〜誕生の背景と課題:知らないと損!?業界最前線(4/6 ページ)
近年、デザイン性が高く、雑貨店で流通する「雑貨系家電」が注目を集めている。小さなメーカーやほぼ知られていないブランドの製品が、駅ナカやイオンモールなどの雑貨店で販売され、人気を得ているのだ。小さな会社やブランドが家電を企画〜販売するようになった背景や人気を得ていった経緯、今後の課題を紹介する。
海外工場でのファブレス生産で、小規模メーカーも参入
雑貨系家電ブランドが、手軽に家電を企画・生産できるようになった背景には、家電のファブレス生産が広がっていったことがある。それまで家電を製品化するためには量産工場が必要だった。しかし90年代以降、中国の沿岸部には多くのOEM・ODM向け生産工場が誕生。さらに工場のデジタル化や技術革新により、小ロットでも家電の開発製造が行えるようになっていった。
自社で工場や生産ライン、金型を持たなければ、大きな資金がなくても家電の企画ができる。しかもデジタル機器と異なり、雑貨系家電の多くは機能、構造も非常にシンプルなので、開発コストはそれほど重くない。リソースをデザインに向けられるというわけだ。
こうした時代の流れも手伝って、デザインを重視したファブレス雑貨系家電メーカーやブランドが数多く登場した。この中には15年にトースターで大ヒットを飛ばしたバルミューダも含まれている。
関連記事
- 象印も新規参入「オーブンレンジ」激戦区はミドルクラス、子育て世代に人気の背景
ミドルクラスのオーブンレンジが人気だ。実勢価格は、単機能レンジやエントリー帯のオーブンレンジが1〜3万円程度、ミドル帯が5〜8万円程度、ハイエンド・フラッグシップモデルは10〜20万円程度。このミドルクラスオーブンレンジの人気から、日本の子育て世代のニーズが見えてくる。 - パナソニック「指定価格制度」 家電量販店はどう捉えているのか?
パナソニックが「メーカー指定価格」を導入し、話題になっている。一部のフラグシップモデルで販売価格を指定し、値引きを認めないというものだが、家電量販店は在庫リスクを負わずに済む。「指定価格」により、家電量販店は今後どうなっていくのか。また他メーカーは追従していくのだろうか。 - スタバのコーヒーを再現するコーヒーメーカー、バルミューダが発売 「トール」サイズも対応
バルミューダは、「スターバックスコーヒー」で販売しているコーヒー豆に合わせた抽出モードを搭載するコーヒーメーカーを12月上旬に発売する。 - 2品同時の「パック調理」に対応した自動調理鍋、象印マホービンが発売
象印マホービンは25日、自動調理鍋「EL-KA23」を発表した。「パック調理」などで手間と時間を節約できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.